ヨガで筋肉痛になる！？筋肉痛が起こる理由や対処法を解説

ヨガで筋肉痛が起こるメカニズム

筋肉痛は、筋肉が損傷を受けたことによる痛みです。何らかの方法で筋肉が損傷を受けると、傷ついた筋肉の周囲に白血球やリンパ球が集まり、炎症反応が起こります。その過程で、痛みを感じる物質が分泌されて「ズキズキと痛む」というわけです。

筋肉痛は「筋肉が回復しているサイン」であり、心配するようなものではありません。ただ、痛みがある部位が広範囲すぎると日常に支障をきたす恐れがあるため、無理は禁物です。

筋肉痛になってでもヨガを行うメリット

そもそもヨガは、さまざまな良い効果を期待できるエクササイズです。主に、以下のようなメリットを得られます。

• 心身のリラックス効果
• 柔軟性と筋力の向上
• 姿勢改善とボディラインの変化
• メンタルヘルスの向上
• 睡眠の質改善
• 集中力と生産性の向上
• 全身の健康促進

「苦労なくして得るものなし」というように、ヨガのあらゆる効果を得るためには、筋肉痛や努力が必要です。得られる効果の大きさを理解できていれば、筋肉痛も目的達成までのプロセスの一部と思えるようになるでしょう。

ヨガで筋肉痛になりやすい部位

ヨガで筋肉痛になりやすい部位は、以下の4つです。

• 肩～背中にかけて
• 太もも
• おしり
• インナーマッスル

ヨガの特性上、正しい姿勢を維持するのに必要な筋肉や、日常生活で使われない筋肉が筋肉痛になりやすい傾向にあります。

ヨガを行うと筋肉痛になる理由

ヨガを行うことで筋肉痛が起こる場合、主に以下の理由が考えられます。

• 筋肉が引き延ばされる動きが多いから
• 普段使わない筋肉を使ったから
• 筋肉に普段以上に負担をかけたから

筋肉が引き伸ばされる動きが多いから

筋肉を軽くストレッチしただけでは、筋肉痛にはなりません。しかし、ヨガでは普段よりも深くストレッチすることができるため、筋繊維が細かいダメージを受けて筋肉痛につながります。

ストレッチにより筋肉痛が引き起こされる原因は、「強すぎるストレッチをした場合」や「運動不足の状態でストレッチをした場合」が多いようです。筋肉を限界以上に伸ばしてしまったり、準備不足で強張っている筋肉を無理に伸ばしたりしようとすると、筋繊維がダメージを受けやすくなります。

普段使わない筋肉を使ったから

使い慣れていない筋肉は、刺激に慣れていません。そのため、ヨガで刺激を受けることにより、筋肉痛につながりやすい傾向にあります。運動不足な方や筋力がない方ほど、筋肉痛になりやすいでしょう。

普段はあまり使わないインナーマッスルや背中、お尻や太ももなどの筋肉を重点的に鍛えるというヨガの特性も、筋肉痛が起こる理由の一つです。日頃から運動をしている方や筋力がある方でも、普段と違う部位を使えば筋肉痛になるのは当然でしょう。

筋肉に普段以上の負担をかけたから

「ヨガ経験者なら筋肉痛にはならない」と考えている方がいるかもしれませんが、ヨガ経験者でも筋肉痛になることはあります。それは、強度を上げたりポーズのキープ時間を延ばしたりしたときです。筋肉に普段以上の負担をかければ、筋肉がダメージを受け、筋肉痛が起こります。

新しいポーズへの挑戦も、筋肉痛が起こりやすいシチュエーションの一つです。新しいポーズとなると、負担がかかる筋肉がそれまでと異なるため、筋肉痛になる可能性が上がります。

ヨガで筋肉痛になったときの対処法

ヨガを行って筋肉痛が起こった場合は、以下の方法を試してみてください。複数の方法を試すことで、より筋肉痛の回復速度を速め、痛みを和らげることができます。

• 軽めのヨガで筋肉をほぐす
• 鍛える部位を変える
• マッサージ＆ストレッチで筋肉をケア
• お風呂で筋肉を温める
• タンパク質や水分をしっかり摂る

軽めのヨガで筋肉をほぐす

完全に体を休ませるよりも、軽めのヨガで筋肉をほぐして血流を良くした方が回復が早い傾向にあります。軽めにするなら、筋肉への負荷が少なく、ポーズが簡単なものを選ぶとよいでしょう。

ヨガを行う頻度を減らすのもおすすめです。普段は週3で行っているなら週1に、週1で行っているなら隔週にというように、無理のない回数に調節しましょう。

鍛える部位を変える

「筋肉痛がある期間もヨガで体を動かしたい」方には、鍛える部位を変える方法がおすすめです。背中が痛い場合は、下半身を鍛えるポーズを中心に行うことで、筋肉痛があっても無理なくヨガで体を動かせます。

ただし、後から別の部位が筋肉痛を起こす可能性があり、痛い部位は変化しても筋肉痛を感じる期間が長引くことを覚悟しておくことが大切です。また、筋肉痛が強すぎる場合は、痛みに気を取られて、鍛える部位を変えてもヨガに集中できない可能性もあります。

マッサージ＆ストレッチで筋肉をケア

マッサージやストレッチは、場所や時間に縛られにくく、気軽に行える筋肉痛の対処法です。適度に筋肉をほぐすことで、血流が促進されて栄養や酸素が筋肉に届きやすくなり、回復が早まります。マッサージを行うことで、筋肉を緩めて痛みを軽減できる効果も期待できるでしょう。

しかし、あくまでも「適度に」が大切で、強く揉みすぎたり筋肉を無理して伸ばしすぎたりするのは逆効果です。「無理せず優しく」を意識して、気持ちいいと感じられる範囲で行いましょう。

お風呂で筋肉を温める

お風呂で筋肉を温める方法も、血流が良くなり回復を早められるため、対処方法としておすすめです。湯船に浸かって体が温まることで、一時的に筋肉痛を和らげる効果も期待できます。筋肉痛の回復をさらに早めたいのであれば、お風呂内で筋肉をマッサージしたり、お風呂後にストレッチしたりするのが効果的です。

ただし、炎症が強い（腫れや熱を持っている）場合は、体を温めると症状が強まってしまうため、お風呂はやめておいた方がよいでしょう。

タンパク質や水分をしっかり摂る

筋肉の修復には、タンパク質（肉・魚・豆腐・卵など）が必要です。タンパク質が足りない状態だと筋肉の修復が滞るため、筋肉痛が起きている期間は積極的に摂取しましょう。

水分は、老廃物を体外に排出するために必要となります。水分をしっかり摂ることで、体内のデトックス効果が高まり、乳酸などの疲労物質が溜まりにくくもなるでしょう。

ヨガによる筋肉痛を防ぐポイント

ヨガにより筋肉痛が起こるのはしょうがないとしても、「痛みを最小限にしたい」「できれば筋肉痛になりたくない」と考えている方は多いはず。以下を実践すれば、筋肉痛を起こしにくくしたり、痛みを最小限に抑えたりできるでしょう。

• 入念に準備運動をする
• 無理をしない
• 普段から適度な運動を行う

入念に準備運動をする

入念に準備運動を行うことで、筋肉の緊張をほぐし、筋肉がダメージを受けにくい状態にすることができます。準備運動なしもしくは不十分な状態でヨガを行うと、筋肉がびっくりしてダメージを受けやすいでしょう。

準備運動は、体に対して「これからヨガを行うよ」と合図するようなものです。体だけでなく心の準備も整えることができ、よりヨガに集中しやすくなります。

無理をしない

無理をして難しいポーズをとったり体を伸ばしたりすると、筋肉がダメージを受けやすくなります。そのため、筋肉痛を防ぎたいのであれば、「無理をしない」ことが大切です。

「難しい」「きつい」と感じたら、軽めの動きに切り替えたり、動きをパスするのがおすすめ。ヨガは、自分の体と向き合うためのエクササイズであり、誰かと競争するものではありません。頑張りすぎず、自分のペースで気持ちよさを感じながら取り組みましょう。

普段から適度な運動を行う

普段から適度な運動を行うことで、筋力が上がり、筋肉が負荷に強くなるでしょう。鍛えられた筋肉であれば、少しの負荷がかかったくらいでは筋肉痛にはなりません。

筋トレやスポーツを行わずとも、家から駅まで歩く、エレベーターではなく階段を使う、などの軽い運動でもOKです。運動する習慣を身につけておくことで、筋肉痛になるリスクを減らすことができます。

ヨガの筋肉痛に関するよくある質問

ここでは、ヨガの筋肉痛に関する質問と答えをご紹介します。

ヨガで筋肉痛になったらどれくらいで治る？

通常は、1～3日くらいで治ります。軽い筋肉痛なら、1日程度で回復するでしょう。しかし、筋肉痛が治るまでの期間は個人差が大きいため、注意が必要です。強い痛みを伴う筋肉痛の場合は、3日以上治らないこともあります。

筋肉痛のときはレッスンをお休みした方がいいの？

軽いヨガレッスンなら、お休みする必要はありません。しかし、激しいポーズはNG。レッスン中に痛みやキツさを感じた場合は、無理せず休みましょう。筋肉痛がある期間は、強度が低めのヨガやストレッチ系・リラックス系のヨガがおすすめです。

無理のない範囲で体を動かすことは、筋肉の回復を早めることにもつながります。安静にしているよりも早く筋肉痛を治すことができるため、可能であれば、休まず参加した方がよいでしょう。

「レッスンに行くとついつい頑張りすぎてしまう」という方には、オンラインヨガがおすすめ。スタジオレッスンよりも自分のペースで続けやすく、気軽に参加できます。

ヨガとホットヨガだとどっちの方が筋肉痛になりやすい？

個人差はあるかもしれませんが、一般的にはホットヨガの方が筋肉痛になりやすい傾向にあるようです。ホットヨガは、常温下で行うヨガと違い、高温多湿化で行われます。そのため、体が普段よりも温められてより深いストレッチが可能になり、筋肉に負荷がかかりやすいのです。

ヨガで筋肉痛になるのはきちんと行えているから

「ヨガをやりたいけど筋肉痛になるのはいやだ」と考えている方は、少なくないでしょう。誰だって痛みは嫌なものです。しかし、筋肉痛のせいでヨガを断念してしまうのは悲しすぎます。

ヨガを始めたいけど「筋肉痛」がネックになっているという方は、筋肉痛を起こしにくくする方法や筋肉痛が起きた時の対処法を知り、万全の体制でヨガを始めてみてはいかがでしょうか。

そもそも筋肉痛は、きちんとヨガの動きを行えている証拠です。「頑張っている証」といっても過言ではありません。心配しすぎず、まずは体験レッスンだけでも受けてみることをおすすめします。