【初心者も安心】ヨガ呼吸法 効果・種類・やり方を徹底解説

ヨガの呼吸法の重要性

ヨガにおいて、呼吸は単なる生理現象ではなく、心と体をつなぐ架け橋のような役割を果たします。例えば深い呼吸は、心身のリラックスを促し、エネルギーの流れを整える効果があると言われています。またヨガを行う際も、呼吸とポーズを連動させることで体の柔軟性が高まり、ポーズの効果が高まります。

さらに、呼吸に意識を集中することで、雑念を払い、瞑想的な状態に入る手助けにもなるでしょう。
このように、呼吸は心身ともに緊張状態からの解放を促し、ヨガの効果を高めてくれます。そのため、ヨガに取り組む際は呼吸法もしっかり意識することが大切です。

ヨガの呼吸法が心身にもたらす効果

ヨガの呼吸は、心身に様々な効果をもたらします。本章では、ヨガ呼吸が心身もたらす効果について解説します。

リラックス効果

ヨガの深い呼吸は、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果があります。

例えば、腹式呼吸を行うことで、横隔膜が大きく動き、より多くの酸素を体内に取り入れることができます。体の隅々まで酸素が行き渡るため、自然と不安や緊張感が和らぎ、心身がリラックスするでしょう。

集中力向上

ヨガでは呼吸に意識を集中するため、雑念が払われ、集中力を高めることができます。

またヨガの深い呼吸は、脳や神経細胞にもしっかり酸素を届けてくれるため、継続していると脳波にも良い影響が生じると言われています。ヨガを終えた後は、すっきり感が得られ集中力が高まっている状態となるでしょう。

血行促進

ヨガは、呼吸によって肺が膨らみ、腹圧が上がります。その結果、各臓器が刺激されて、血液の循環が促進されます。

反対に全身が酸欠状態になると、冷えや免疫力の低下を招くことがあります。ヨガの呼吸によって血行が促進されると、冷え性の改善や代謝の向上、疲労回復などの効果も得られるでしょう。

ダイエット効果

ヨガの呼吸は、ダイエットにも効果があると言われています。
その理由として、ヨガの深い呼吸によって大量の酸素が体内に取り込まれることで、脂肪の燃焼が促進されるからです。

また、ヨガの呼吸法はインナーマッスルを鍛える効果もあります。インナーマッスルが鍛えられると基礎代謝が向上し、痩せやすい体質になるでしょう。

自律神経が整う

ヨガの呼吸法は、自律神経のバランスを整える効果もあります。

自律神経は、心臓の鼓動や呼吸、消化など、生命維持に必要な機能をコントロールしている神経系であり、ストレスや不規則な生活によって、自律神経のバランスが崩れると、不眠やイライラ、体調不良などの様々な症状が現れることがあります。
ヨガの呼吸法は、副交感神経を優位にし、自律神経のバランスを整えてくれます。自律神経が整うことで、心身の健康も維持されるでしょう。

代表的なヨガ呼吸法の種類とやり方

ヨガには様々な呼吸法がありますが、ここでは代表的な呼吸法をいくつか紹介します。

腹式呼吸

腹式呼吸とは、鼻から空気を大きく吸い込み横隔膜を大きく動かし、口からゆっくりと細く息を吐き切る呼吸法です。

息を吸う時はお腹をしっかり膨らませることを意識し、息を吐く際はお腹が最後まで凹ませることを意識しましょう。また、肩に力が入らないようにリラックスして行うことがポイントです。

胸式呼吸

胸式呼吸とは、肋骨を大きく広げることで、肺活量を増やす呼吸法です。
交感神経を活発にする効果があり、体のリフレッシュや動きのあるポーズを行う前に取り入れられる傾向があります。

胸式呼吸を行う時は、鼻から大きく息を吸い込み、胸を広げます。続いて、口からゆっくりと息を吐き出し、胸を閉じます。呼吸が浅くならないように、深く呼吸することを意識しましょう。
また、呼吸中は、肩が上がらないように注意し、肋骨を広げることに集中しましょう。

完全呼吸

完全呼吸とは、腹式呼吸と胸式呼吸を組み合わせた呼吸法であり、加えて鎖骨や肩周辺まで範囲を広げて呼吸します。
まずは、腹式呼吸を行い、続いて胸式呼吸、最後に鎖骨や肩周辺まで酸素を送るイメージを持ち、鎖骨まわりを引き上げ広げます。

お腹・胸部・鎖骨の順に酸素が満ちていくイメージを描きましょう。途中で息が詰まらないように、スムーズに呼吸を行うことがポイントです。

片鼻呼吸（ナーディショーダナ）

片鼻呼吸は、左右の鼻腔を交互に呼吸することで、脳のバランスを整え、集中力を高める呼吸法です。

片方の鼻腔から息を吸い、もう一方の鼻腔から息をゆっくり吐き出します。左右交互の鼻腔を使い、ゆっくり深く呼吸しましょう。

ウジャイ呼吸（勝利の呼吸）

ウジャイ呼吸は、「勝利の呼吸」とも呼称されており、喉の奥を軽く締め付ける呼吸法です。

鼻から息を吸い、鼻から吐く際に喉の奥で「シューッ」という摩擦音を出す点が特徴です。精神を落ち着かせ、集中力を高める効果があると言われています。呼吸の際は、喉を締め付けすぎないように注意しましょう。

カパラバティ呼吸（火の呼吸）

カパラバティ呼吸は、「火の呼吸」とも呼称され、腹部を力強く動かす点が特徴です。肺や横隔膜を強く動かすことから、内臓の活性化や代謝の向上に効果があると言われています。

ただし、腹部を力強く凹ませるため、妊娠中の方や高血圧の方は、控えましょう。

シータリー呼吸（冷却の呼吸）

シータリー呼吸は、サンスクリット語で「冷ます」を意味し、「冷却の呼吸」と呼称されることもあります。その名の通り、体を冷やし、心を落ち着かせる効果があると言われています。また、夏バテや喉の渇きを和らげる効果もあるそうです。

呼吸をする際は、舌を巻いてストロー状にし、舌を通して息を吸い込みます。続いて、口を閉じて、鼻から息を吐き出します。舌を巻くのが難しい場合は、歯の隙間から息を吸いましょう。

目的別・効果別 最適な呼吸法

ヨガの呼吸法には、様々な種類があります。そのため、得たい目的や効果によって用いる呼吸法が異なります。
本章では、目的や効果別に適した呼吸法を紹介します。

リラックスしたい時

リラックスしたい時には、腹式呼吸や完全呼吸がおすすめです。

深い呼吸によって副交感神経が優位になり、心身が落ち着くでしょう。就寝前に行うことで、質の高い睡眠をもたらす効果も期待できます。

集中したい時

集中したい時には、ヨガに片鼻呼吸（ナーディショーダナ）やウジャイ呼吸を取り入れてみましょう。
呼吸に意識を集中することで、雑念が払われ集中力が高まります。例えば、仕事や勉強の前に片鼻呼吸やウジャイ呼吸行うことで、集中力が高まり、仕事の効率が高まったり、勉強の効果を最大化できたりするでしょう。

また、安楽座や結跏趺坐などの瞑想のポーズと組み合わせることで、さらに集中力を高めることができます。

体を温めたい時

体を温めたい時には、カパラバティ呼吸（火の呼吸）がおすすめです。

腹部を力強く動かすことで、内臓が活性化し、体温が上昇します。寒い時期や運動前に行うことで、体を温めてくれるでしょう。また、冷え性に悩む方も、ヨガにカパラバティ呼吸を取り入れることで冷え性が改善・緩和されるでしょう。

ダイエットしたい時

ダイエット・代謝アップには、カパラバティ呼吸（火の呼吸）が効果的です。

呼吸法にねじりのポーズ（マツィエンドラーサナなど）と組み合わせることで、内臓が刺激されるため、代謝を高められるでしょう。

自律神経を整えたい時

自律神経を整えるには、腹式呼吸とウジャイ呼吸を組み合わせた呼吸法が有効です。

呼吸の効果を高めるためには、静かで集中できる場所を選びましょう。また、前屈のポーズと組み合わせることで、心身のリラックスを深め、自律神経のバランスが整います。

ヨガの呼吸法の効果を最大限に高めるポイント

ヨガの呼吸法の効果を最大限に高めるためには、いくつかのポイントがあります。
ここでは、ヨガの呼吸を行う際に意識したいポイントを解説します。

正しい姿勢を意識する

呼吸を行う際は、背筋を伸ばし、胸を開いた姿勢で行うことが大切です。

姿勢が悪いと、呼吸が浅くなり、呼吸の効果を十分に得られません。椅子に座って行う場合は、深く腰掛けずに、背筋を伸ばして座りましょう。床に座って行う場合は、坐骨を立てて座ることを意識しましょう。

無理のない範囲で行う

ヨガの呼吸は、無理のない範囲で行いましょう。
息苦しくなったり、体に痛みを感じたりした場合は、すぐに中止しましょう。特に、呼吸器系の疾患を持っている方や妊娠中の方などは、医師に相談してから行うようにしてください。

インストラクターにアドバイスを求める

ヨガスタジオに通っている方は、インストラクターに呼吸法のアドバイスを求めるのも良いでしょう。

自分の呼吸の状態をチェックしてもらい、適切なアドバイスをもらうことで、呼吸の効果を最大化できます。また、体の状態や目的に合った呼吸法をレクチャーしてもらうことで、ヨガそのものの効果も高まるでしょう。

ポーズに適した呼吸法を意識する

ヨガのポーズを行う際は、ポーズに適した呼吸法を意識することで、より効果を高めることができます。
例えば、体を伸ばすポーズでは、吸う息で体を伸ばし、吐く息でポーズを深めることで、より柔軟性を高められるでしょう。

ポーズに適した呼吸法がわからない場合は、ヨガインストラクターの指導を受けたり、インターネット上で適した組み合わせを調べてみたりしましょう。

ヨガ呼吸法に関するよくある質問

ここでは、ヨガの呼吸法に関して、よくある質問をまとめました。
初めてヨガに挑戦する方はもちろん、ヨガに慣れてきた方も適した呼吸法を実践できているのか、本章で確認してみてください。

Q. ポーズごとに適した呼吸法はあるのですか？

A. ポーズごとに適する呼吸法があります。

一般的には、体を伸ばすポーズでは吸う息、体を縮めるポーズでは吐く息を意識すると、ポーズの効果を高められると言われています。また、ポーズによっては特定の呼吸法を用いることがあります。

Q. 呼吸法と瞑想の違いは？

A. 呼吸法と瞑想は、働きかける対象や呼吸の目的、効果などに違いがあります。

呼吸法は、意識的に呼吸をコントロールすることで、神経系や血行促進など生理学的な変化を意図的にもたらし、肉体の状態を整えます。一方で、瞑想は、自然な呼吸に注意を向けることを指し、心の状態を深く静めるよう促します。

なお、ヨガの呼吸は瞑想の導入として用いられることもあります。

Q. ヨガでは呼吸を止めないほうが良いですか？

A. 基本的には、ヨガでは呼吸を止めないほうが良いとされています。

呼吸を止めてしまうと、体内に酸素が十分に供給されず、体に負担がかかってしまう可能性があるからです。ただし、ポーズによってはヨガ効果を引き出すために、一時的に呼吸を止める（クンバカ）こともあります。呼吸に悩む場合は、インストラクターにアドバイスを求めましょう。

Q. 片鼻呼吸は、なぜ片方ずつの鼻腔で交互に呼吸を行うのですか？

A. 神経の切り替えをスムーズにすることで、心身の調和を促すからです。

右側の鼻腔は交感神経を活性化し、体を活動的にする効果があると言われています。一方、左側の鼻腔は副交感神経の活性化を優位にし、リラックス状態にする効果が期待できます。
呼吸する鼻腔を切り替えることで、自律神経やエネルギーバランスが整い、リラックス効果を得られたり集中力が向上したりするでしょう。

呼吸法を意識し、ヨガの効果を最大限に高めよう！

ヨガの呼吸法は、心身に様々な効果をもたらします。呼吸法を意識してヨガを行うことで、ヨガの効果を一層高めることができるでしょう。

また、ヨガの呼吸法は実際にヨガを行う場合に限らず、日常生活にも取り入れることもできます。
この記事を参考に、ぜひヨガの呼吸法を日々の生活に取り入れてみてください。