ヨガで行う瞑想とは？正しいやり方と効果を高めるポイントを解説

ヨガで行う瞑想とは？

ヨガにおける瞑想とは、自分自身の心や体と向き合うことです。心を頭を無にしてリラックスすることで、集中したり思いをめぐらせたりすることができます。瞑想は、ヨガを構成する一つの要素であるとともに、ヨガの本質そのものともいえるでしょう。

もともとヨガは、瞑想や呼吸法を通じて心と体の調和を図る修行として、古代インドで発展しました。インドの古代都市文明であるインダス文明の遺跡からは、ヨガの坐法や瞑想をする人を想像させる像が見つかっており、中には、ヨガのポーズに似た像も。瞑想するための手段として、古くからヨガのポーズが取り入れられていました。

「修行」と聞くとハードルが高く感じてしまいますが、ヨガは初心者でも気軽に始めることができます。

ヨガの瞑想で期待できる効果

ヨガで瞑想を行うことによって、以下のような効果が期待できます。
参考：初心者でも実感できるヨガの効果とは？

• リラックス効果
• ストレス軽減
• ポジティブ思考への転換
• 集中力アップ

リラックス効果

ヨガの瞑想を行うと、心が落ち着き、自律神経のバランスが整いやすくなります。ざわついた気持ちや感情を抱えている方でも、無心でヨガに取り組むことで気持ちをリセットできるでしょう。

ヨガで行われる腹式呼吸も、心と体がリラックスできる理由の一つ。深い呼吸をすることにより、体の緊張をほぐしたり、免疫力を高めたりといった効果を期待できます。寝る前に行えば、睡眠の質向上にも役立つでしょう。

ストレス軽減

ヨガの瞑想には「リラックス効果」があると解説しましたが、リラックスしている状態というのは、副交感神経が優位の状態です。副交感神経が優位になると、心のイライラや体の興奮状態が落ち着き、ストレスフリーな状態になります。

瞑想により心を無にすることで、不安や悩み、焦りなどの雑念を取り払って心地よい状態になれるのも、ストレスを軽減できる理由の一つです。心と体を落ち着かせることで、物事を客観視できるようになり、本質を見極めたり解決策を見出したりすることにもつながります。

ポジティブ思考への転換

ヨガの瞑想で心と体がリラックスすると、ネガティブな感情がリセットされ、ポジティブ思考に切り替えやすくなります。適度に体を動かせることも、ポジティブ思考になりやすい要因。

体を動かすことで幸福ホルモンのセロトニンが分泌されるため、精神が安定し、幸福感を感じやすくなるでしょう。幸せを感じる力があれば、同じ物事でも前向きに捉えられるようになり、生きやすくもなります。

集中力アップ

ヨガにおける瞑想は、外ではなく、自分の中に意識を向ける作業です。瞑想することで深い集中状態に入ることができるため、雑念を取り払い、集中力をアップできるでしょう。

瞑想で心を無にする行動を繰り返せば、オンオフを切り替える習慣を身につけることもできます。オンオフを自分の意志で行えるようになれば、感情のコントロールや効率的な行動にもつながり、仕事面や生活面、勉強面などで役立てることが可能です。

ヨガで瞑想するための正しいやり方

ヨガで瞑想を行いたい方は、以下のやり方を試してみてください。

1．楽な姿勢で座る
2．目を軽く閉じる（または半目）
3．呼吸に意識を向ける
4．瞑想する

1．楽な姿勢で座る

あぐらの姿勢になり、背筋をまっすぐ伸ばして肩の力を抜いてください。手は、手の平を上にして軽く膝の上に置きましょう。背中が丸まってしまうようであれば、お尻の下にまくらや座布団、丸めたタオルなどを敷くのがおすすめです。

もしあぐらの姿勢をとるのがキツい方は、椅子の上に座ってもOKです。自分が心地よいと感じる姿勢であれば問題ないので、無理のない姿勢で行いましょう。

2．目を軽く閉じる（または半目）

楽な姿勢で座れたら、目を軽く閉じてみてください。ぎゅっとつぶると体に力が入ってしまうので、顔の力を抜くように意識してみましょう。目をつぶるのに違和感がある場合は、目をうっすら開けても構いません。目を開ける場合は、全開にするのではなく半目にし、ぼんやり一点を見つめてください。

3．呼吸に意識を向ける

ヨガでは、腹式呼吸を行います。楽な姿勢のまま鼻からゆっくりと息を吸い、お腹へと取り込みます。お腹がゆっくりと膨らむのを感じてください。息を吸い終えたら、鼻からゆっくりと吐き出しましょう。

息を吸って吐き終えるまで、できるだけゆっくり行うとベストです。最初からゆっくりやろうとすると失敗してしまうこともあるので、少しずつ時間を延ばしてみましょう。

4．瞑想する

呼吸が整ってきたら、自分の中に意識を向け、瞑想してみましょう。「瞑想」は、雑念を取り払って体と心を落ち着かせることが目的ですが、雑念が浮かぶこともあります。雑念が浮かんだ際は、慌てずに「自然なこと」と考え、そっと呼吸に意識を戻しましょう。

雑念が浮かんだことに気を取られすぎてしまうと、瞑想に余計入りにくくなってしまうため、あまり気にしないようにすることが大切です。

ヨガの瞑想による効果を高めるポイント

ヨガで瞑想を行う前に、以下のポイントを押さえておいてください。ポイントを守れているかいないかで、瞑想により得られる効果が大きく変わります。

• 静かで落ち着ける環境を整える
• 腹式呼吸を行う
• 正しい姿勢でポーズを行う

静かで落ち着ける環境を整える

質の良い瞑想を行うためには、深く集中できるよう、静かな環境を用意する必要があります。体がリラックスできるよう、快適な温度を設定することも大切です。

暑すぎると集中できなかったり脱水症状に陥りやすくなったりする可能性があり、寒すぎると体がこわばってしまいケガのリスクが高まります。ヨガスタジオで行う場合は問題ありませんが、自宅で行う場合は適切に温度調節や加湿を行いましょう。

ヨガには、高温多湿化で瞑想を行う「ホットヨガ」というものも存在します。通常のヨガと行うことはさほど変わりませんが、大量の汗をかくことができ、筋力強化やデトックス効果を期待できるのが大きな違いです。ホットヨガを行う環境は自宅では実現しにくいため、ホットヨガを希望する方はスタジオを利用するとよいでしょう。

腹式呼吸を行う

ヨガの瞑想やポーズは、腹式呼吸と一緒に行うことで真の力を発揮します。腹式呼吸を「やりにくい」と感じる方は、練習してみるのがおすすめです。日常では胸式呼吸を行っている方でも、慣れれば簡単に腹式呼吸を行えるようになります。腹式呼吸を練習する場合は、仰向けに寝転がって練習するのがわかりやすいでしょう。

【腹式呼吸のやり方】
①仰向けになって軽く膝を曲げる
②鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹を膨らませる
 （お腹に手を置くとわかりやすい）
③口からゆっくりと息を吐きだす
※呼吸のリズムがつかめたら、息を吸う時間とはく時間を長くしてみてください。

正しい姿勢でポーズを行う

正しい姿勢でポーズを行わないと、瞑想による効果を得にくくなるだけではなく、ケガのリスクが生じてしまいます。正しい姿勢でポーズをとれれば、体や心に無駄な負荷をかけることなく、スムーズに瞑想に入れるでしょう。

正しい姿勢かどうかは、第三者にチェックしてもらうのがベストです。ヨガスタジオなら、プロのインストラクターが丁寧にチェックや修正をしてくれます。自分ではわからないクセや歪みまで見抜いてくれるため、正しいポーズを身につけ、瞑想にも入りやすいでしょう。自宅で姿勢を確認したい方は、鏡を使うのがおすすめです。

ヨガの瞑想に関するよくある質問

ここでは、ヨガの瞑想に関するよくある質問と答えをご紹介します。

瞑想ってどれくらいの時間行えばいいの？

最初のうちは、1日数分から始めてみましょう。瞑想に慣れてきたら、5分から10分、20分と時間を長くしていくとよいでしょう。しかし、時間を長くすることよりも、毎日続けることの方が重要です。短時間でもいいので、継続することを目標にしましょう。

瞑想はどの時間帯に行うのが効果的？

瞑想は、行う時間帯によって得られる効果が異なるため、自分の目的に合わせて時間帯を選ぶのがおすすめです。朝の瞑想は、1日をスッキリとした気分でスタートすることができ、集中力が高めたい方にピッタリ。ストレス解消やリフレッシュ目的なら、昼の瞑想が最適です。リラックスしてぐっすり眠りたい方や1日の疲れを取りたい方は、夜寝る前の瞑想が向いているでしょう。

瞑想中に音楽を流してもいいの？

「静かで落ち着ける環境を整える」と前述しましたが、リラックスできる環境は、人により異なります。無音の環境がいい方もいれば、多少音が流れている方がリラックスできる方もいるでしょう。つまり、リラックスできるのであれば、瞑想中に音楽をかけるのもOKということです。しかし、テンポの早い曲ではなく、ゆったりめのリラックスしやすい音楽をチョイスするようにしましょう。

瞑想の効果はどれくらいで出ますか？

瞑想の効果がでるまでの時間は、行う時間やその人の状態によりさまざまです。しかし、1回で効果が出るものではなく、徐々に効果が出てくるものだと思っておきましょう。「効果が出ない」と焦るのではなく、コツコツ続けることが大切です。

ヨガの瞑想を行うことで、心も体も落ち着く

ヨガの瞑想には、心と体を落ち着ける効果が期待できます。1回やれば効果を実感できるほどの即効性はありませんが、続けるほどに効果を実感しやすくなるため、興味のある方はしばらく続けてみるとよいでしょう。本記事では瞑想に焦点を当てて解説しましたが、ヨガを本格的に行えば、他にもさまざまなメリットを得られます。多くのヨガスタジオでは体験レッスンが開催されているため、気になるスタジオがあれば参加してみるのがおすすめです。