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医師と連携し、医療にもう一つの選択肢を。「ゆらし療法」という補完医療のかたち|ゆらしインターナショナル株式会社

医師と連携し、医療にもう一つの選択肢を。「ゆらし療法」という補完医療のかたち|ゆらしインターナショナル株式会社
  • 今回お話を伺った方
    • ゆらしインターナショナル株式会社 代表

      川田 修氏

      独自の手技療法「ゆらし療法」の普及に取り組み、全国の技術認定院の育成や医療機関との連携を推進。慶應義塾大学や整形外科クリニックとの共同研究などを通じて、補完医療の選択肢を広げる活動を行っている。

医療機関で検査や診断を受け、「検査では大きな異常が見当たりません。」「手術をするほどではありません。」と判断されたものの、痛みや不調が続いている方もいます。

そうした方に対し、医療での診断や治療を尊重しながら、身体への別のアプローチを一つの選択肢として提供できないかと考えているのが、ゆらしインターナショナル株式会社です。

同社は、独自の手技療法「ゆらし療法」を通じて、医師や大学との連携を進めています。今回は、代表取締役の川田修(かわだ おさむ)さんにお話を伺いました。
ゆらし療法 公式サイトへ

日本の民間療法から生まれ、ドイツで磨かれた技術

――ゆらし療法はいつ頃から開発・普及を始められたのですか。また、現在の技術認定院数を教えてください。

川田さん:ゆらし療法のルーツは、日本に古くからある民間療法にあります。創始者であり、現在も技術責任者を務める松永光司が、その技術を約10年かけて理論的に整理・体系化しました。

大きな転機となったのが2012年です。松永がドイツに渡り、現地の医学者や自然療法の専門家と一緒に研究を始め、「Yurashi」として海外での普及活動をスタートしました。

ドイツには「ハイルプラクティカー」という医療系の国家資格があり、自然療法士が医師とは別の選択肢として社会に根付いています。その土壌があったからこそ、私たちの技術にも高い関心を持ってもらえました。

その後、2015年に品川で直営店「ゆらしラボ」を開設し、2016年にゆらしインターナショナル株式会社を設立。認定院制度が本格的に動き始めたのは2020年前後です。現在は全国に66の技術認定院があり、直営店や医療機関内の専門外来を含めると、全国75拠点でゆらし療法を提供しています。

施術院の種類の画像


――直営店だけではなく、技術認定院という仕組みを作ったのはなぜですか。

川田さん:品川と代々木に直営店を構えていた頃には、全国から問い合わせが届くようになったんです。遠方から泊まりがけで施術に来る方もいましたね。そうした中で、物理的に足を運べない人たちを救えていないと気づきました。

ただ、全国に店舗を作るのは費用がかかる。そこで、医療系の国家資格を持ち、自分で開業している方に向けて、技術認定院という仕組みを考えました。技術だけではなく、紹介で広がっていく集客のノウハウまでをパッケージにして、それぞれの地域で実践してもらおうと思ったんです。

とはいえ、施術技術は広げ方を間違えると質が落ちてしまいます。名前だけが一人歩きして、全く違う施術になってしまう可能性もある。

そこで一定の基準を作り、教育・技術確認・継続研修まで含めて品質を管理する形を取りました。

患者さんの選択肢を増やす「補完医療」

――大切にされている理念についてお聞かせください。

川田さん:一番大切にしているのは、「患者さんにとっての治療の選択肢を増やす」ことです。

私たちは現代医療を否定しているわけではなく、むしろ逆です。まず医療機関できちんと検査や診断を受けることが重要だと考えています。骨折や腫瘍、靱帯の断裂など、医療でなければ対応できないものは当然あるんです。

一方で、検査では大きな異常が見つからない、手術をするほどではない、薬や湿布だけではなかなか改善しない。そんな痛みや不調に困っている方もたくさんいる。そうした方に、現代医療とは違う身体へのアプローチを、もう一つの選択肢として提供できないかと考えました。

医師と施術家が話している画像

医師の判断を尊重しながら、施術家にできる施術を行います。双方でしっかりと話し合いながら進めています。


――医師と組むまでの最初の取っ掛かりは、難しかったのではないでしょうか。

川田さん:大変でしたね。友人の紹介で、柔軟な考え方を持ち、新しい取り組みにも関心のある医師を探してもらい、ようやく出会えたのが最初の1件です。その医師とは今も一緒に「ゆらし療法」を広げています。

実際、そのクリニックでは患者数が5倍ほどに増えました。この実績を使って、少しずつ理解してくれるクリニックを増やしています。

私たちが目指しているのは、医師の診断能力を最大限尊重したうえで、補完として入っていくことです。

実際、ある整形外科の先生から、こんな話をされたことがあります。

「手術を求めている人は100人中1〜2人程度で、大半の患者さんには本来さまざまな選択肢があっていいはず。それなのに、その間が空いてしまっている。あなたたちはその間を埋めているんですね」と。

この言葉は、私たちがやろうとしていることをまさに言い当てていました。

「痛みを我慢しない」ゆらし療法の特徴

――一般的な整骨院・接骨院の施術と、何が決定的に違うのでしょうか。

川田さん:ゆらし療法は、関節や筋肉を非常にやさしく動かしながら、筋肉の過度な緊張をゆるめ、身体本来の動きやすさを取り戻すことを目指す手技療法です。

特徴的なのは、「強く押さない、揉まない、無理に伸ばさない、ボキボキしない」ということ。そのため小さなお子さんから高齢の方まで、幅広い年代の方に受けていただいています。

痛みを「我慢すべきもの」ではなく、身体から出ている大切な情報だと考えています。痛みを感じた瞬間、人間の身体は本能的に防御反射を起こし、筋肉を固めてしまいます。

これは身体を守るための自然な反応ですが、回復とは逆方向に働いてしまう。だからこそ、痛みをできるだけ感じさせない施術を心がけています。この考え方は、医師たちからも「理にかなっている」と評価いただいています。

もう一つの特徴は、技術を標準化し、認定制度によって品質を管理していることです。

実際の症例を多数記録・公開し、医療機関内でも施術を行い、大学や医師と共同研究をして科学的な検証を進めています。「施術者の経験や感覚だけに頼らない」というところまで含めて、ゆらし療法の特徴だと考えています。

ゆらし療法を施術している画像

痛みを伴わないよう、少しずつ身体をゆらしながら施術しています。

3症例に特化した理由と医療連携へのこだわり

――技術認定院では、肉離れ・オスグッド・シュラッター病・半月板損傷に伴う膝の痛みという3症例に特化されているそうですね。その理由を教えてください。

川田さん:大きく2つの理由があります。

ひとつは、この3症例について、施術の手順を標準化しやすく、施術前後の変化も確認しやすいと考えているからです。

接骨院の先生方は、他院で改善につながらなかった方に対して、ご自身の施術で変化を感じてもらえたら、治療家としての誇りを呼び戻せます。治療家という仕事は絶対に必要ですから、その人たちがプライドを持てる仕事をしてほしいんです。

もう一つは、マーケティングの考え方です。「何でも治療します」という治療院より、専門分野に特化している治療院の方が、困っている患者さんには見つけてもらいやすいですよね。

中でも肉離れはスポーツをしている人に起こりやすく、チーム内に肉離れをした選手がいれば、周りの仲間もその経過を見ています。施術後に早い段階で変化が見られれば、「もう治ったの?」という驚きが生まれ、そこから紹介が広がっていくんですよ。

なお、3症例をマスターして経験を積んだ認定院には、別途、全身を対象とした教育もスタートしていますが、入口としてはこの3症例を非常に大切にしています。

3症例の動画を紹介する画像

――慶應義塾大学との共同研究や整形外科クリニックとの連携を重視する背景を教えてください。

川田さん:患者さんは不調があったとき、まず病院に行きますよね。そこで「補完医療」を勧めてもらえたら、それが一番安心です。だからこそ、ゆらし療法を単なる「整体の一つ」で終わらせたくないんです。

施術の世界では口コミが頼りになりますが、それだけでは、信じてくれた方しか来てくれません。

疑っている方は、痛みを抱えたままになってしまいます。医師がコーディネートしてくれた上で僕らが活躍できれば、患者さんはスムーズに、安心感を持って施術を受けられる。だから、医療と連携したい。

そのためには、論文が必要なんです。オスグッド・シュラッター病については、慶應義塾大学、からさわ整形外科クリニックとの共同研究により、2026年に国際学術誌へ2報の論文を発表することができました。

現在も、肉離れ、テニス肘、機能性ディスペプシアなどについて、医療機関や研究者と検証を進めているところです。実際の医療機関の中で「ゆらし療法専門外来」という形での施術も行っています。

なぜ、講習費は無料なのか

――6日間の技術講習が無料である理由と、レベニューシェア方式を採用したのはなぜですか。

川田さん:私たちは、講習そのものを売ることを目的にしていません。施術業界には、最初に高額な講習費を支払い、技術を習った後は「自分で頑張ってください」という仕組みも少なくない。それでは、受講する治療院側だけが先にリスクを負うことになります。

ですから、ネット集客を中心に本部から新規の患者さんを紹介し、売上が発生した場合にレベニューシェア方式で費用をいただく仕組みにしました。患者さんが送客されなければ、認定院側の費用は一切発生しません。

また、技術は講習を受けただけで身につくものではなく、実際の患者さんを施術し、結果を確認し、経験を重ねることが大切です。

技術を教え、本部が患者さんを集め、認定院で施術をする。それを繰り返し、経験を積んで技術を高めるところまでを一つのプログラムにしました。

講習は6日間ですが、2日間学んだら1ヶ月は現場で実践してもらうサイクルを3回行います。受講生は6〜8人程度でLINEグループを作り、そこに技術の先生も入って、成功例も失敗例もリアルタイムで共有できる体制を整えています。

その後も、2ヶ月に1回の定期講習や、年に一度の全国研修を実施し、技術の底上げを行っています。

施術講座を受けている様子の画像

――本部が集客を担う仕組みについて、こだわりを教えてください。

川田さん:多くの治療院の先生方は、施術も経営もこなしながら、ホームページやSNS、広告、SEOまで自分で勉強しなければなりません。これはかなり大変です。だったら全国規模のマーケティングは本部が担当した方が合理的だと考えました。

加えて、本部が患者さんを集めることで、認定院の先生方には実際の症例を数多く経験してもらえ、その結果として技術も上がっていく。私たちにとって「技術教育」と「集客」は別々のものではないんです。

――技術認定院になるための条件を設けた理由も教えてください。

川田さん:一番の理由は、施術の品質と安全性を守るためです。基本的には柔道整復師、鍼灸師、理学療法士などの医療系国家資格を持ち、ご自身で治療院を経営している方を対象としています。

既存認定院と競合しないよう地域も調整しており、現在はおおむね40万〜50万人程度の人口圏に一つを基本にしています。

技術だけに興味を持つような方はお断りしていて、患者さんや業界、社会全体のことまで考えられる方かどうかを重視しています。

「認定証を販売している」という感覚ではなく、将来一緒に医療の選択肢を増やしていく仲間を探している、という感覚に近いです。だからこそ、最初にしっかりと面談をしてその方の想いを確認しています。

自分の役割を実感できる働き方

――技術認定院制度に参加された方から、どのような反応がありましたか。

川田さん:最初に驚かれるのは、やはり「本当に講習が無料なんですか?」ということです。ただ、無料であること以上に「講習が終わった後、本当に患者さんが来る」ことに驚かれる方が多いですね。

それまで保険診療中心だった先生が、肉離れやオスグッドなど特定の症例について、自信を持って自費で対応できるようになる。症例経験が増えることで、技術にも自信がついていきます。

新規患者数のビフォーアフターの画像

――参加後に変化があった治療院の印象的なエピソードがあれば教えてください。

川田さん:「過去最高の月商を更新しました」という報告をいただくことがたくさんあります。ゆらし療法は自費の施術で1回9,000円となっており、保険診療が中心だった認定院にとっては、これまでにない大きな収入源になります。

ただ、私が印象に残っているのは、先生方の治療家としての役割が変わっていくことです。それまでは地域の一般的な接骨院として幅広い症状を診ていた先生の元に、遠方から肉離れやオスグッドの患者さんが来院するようになる。

すると「自分はこの症例について人から頼られる存在なんだ」という意識が生まれます。「治療家としての誇りが取り戻せた」「開業20年にして本当にやりたい仕事ができている」といった言葉もいただいています。

経営が安定することはもちろん重要ですが、施術家自身が地域の中で自分の役割を実感できることが、この制度の大きな価値ではないかと思っています。

補完医療を、当たり前の選択肢に

――今後のビジョンについて教えてください。

川田さん:私たちは、医師の診断を尊重し、それぞれの専門性を生かしながら、患者さんにとっての医療の選択肢を増やしていくことを、一つの理想像としています。これは患者さんを中心に置いた「補完医療」という考え方です。

検査では大きな異常が見つからないのに、痛みや不調を抱えている方に対して、施術家ができることは確かにあると考えています。

現在すでに、整形外科や内科などの医療機関の中で、医師の診察・診断とゆらし療法を組み合わせた専門外来を行っています。この仕組みを全国へ広げ、患者さんの選択肢を増やしていきたいんです。

医師と連携して研究データを取っている画像

データを蓄積し、安全性について検証を進めています。


――今後、日本の補完医療市場において、どのような役割を果たしていきたいですか。

川田さん:「補完医療」という言葉が、怪しいものや科学的根拠のないものと同義に見られない社会にしたいと思っています。

そのためには、医師と連携する、大学や研究者と研究する、結果を論文として公表する、安全性を重視する、施術者の教育や品質を管理する。そうした当たり前のことを積み重ねる必要があります。

私たちは、ゆらし療法だけが唯一正しい方法だとは考えていません。補完医療にもさまざまな可能性があっていい。そのための一つのモデルを、ゆらし療法で作りたいと思っています。

患者さんが安心して選べる、患者ファーストの医療の仕組みを、日本で少しずつ作っていくことが私たちの役割だと考えています。

――これから学びを始めようか迷っている方へ、メッセージをお願いします。

川田さん:技術認定院制度は、「無料だから、とりあえず技術を一つ増やしてみたい」という方のための制度ではありません。

医療の選択肢を増やすという想いに賛同してくださる方、将来的に医師や他の医療従事者とも協力しながら患者さんに向き合いたいと思っている方に、ぜひ知っていただきたいと考えております。

医師・医療従事者の方へ|ゆらし療法

私たちと一緒に理想の医療を作ってくださる方と出会いたいと思っています。

――川田さん、本日は素敵なお話をありがとうございました。

「ゆらし療法」技術認定院を募集中

ゆらしインターナショナル株式会社では、医療系国家資格を持ち、ご自身で治療院を運営されている方を対象に、技術認定院を募集しています。

患者さんへの新たなアプローチの一つとして、ゆらし療法の導入を検討されている方は、認定院制度の詳細をご覧ください。
ゆらし療法 技術認定院制度の詳細はこちら

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WRITER

この記事を書いた人
森田かえ

森田かえ

教育・子育て・暮らしを中心に執筆する取材ライター。 人の想いや背景を丁寧に聞き取り、言葉にすることを大切にしている。 子どもや家族、地域にまつわるテーマを軸に、読み手の暮らしに届く文章を心がけている。 お酒を飲みながら推しの番組を見る時間が、ささやかな幸せ。

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