日本リボン刺しゅう協会(JRE)では、リボン刺しゅう技法の普及と講師育成を行っています。
日本ホビーショー2024に初出展
オンライン講座の拡充により「自宅で本格的な技術を習得し、資格取得まで完結できる」仕組みが整っており、趣味で楽しみたい方はもちろん、キャリア形成を考える女性を中心に人気です。
本記事では、その独自の教育メソッドの価値やキャリアの可能性を深掘りすべく、一般社団法人日本リボン刺しゅう協会代表理事の井上ちぐさ氏にお話を伺いました。

一般社団法人日本リボン刺しゅう協会代表理事の井上ちぐさ氏
井上ちぐさ氏は、刺しゅうとカルトナージュのアトリエ「Atelier Claire(アトリエ クレア)」を主宰するアーティストでもあり、リボン刺しゅうに関する書籍も出版されています。
「夢中になれる趣味を見つけたい」「日々が忙しくてリフレッシュしたい」「新しいキャリアの可能性を探したい」「ハンドメイドで仕事をしたい」と考えている方はぜひ参考にしてみてください。
触れたくなる立体美。リボン刺しゅうが女性たちを惹きつける理由

La vie en rose コース(立体薔薇を極める認定講師講座)
――リボン刺しゅうの魅力はなんでしょうか?
井上さん:最大の魅力は、立体感です。
幅広のリボンを使って刺しゅうするため、ワンステッチで花びらや葉っぱが立体的に仕上がり、華やかな作品が出来上がります。
一般的な刺しゅう糸での刺しゅうよりも短い時間で作品を作れるのも魅力です。
短期間でも達成感を得やすいので、家事や育児、仕事などで忙しい方からも人気を集めています。
リボン刺しゅうはさまざまな素材と相性が良く、ポーチやバッグ、ブックカバーなどの布小物はもちろん、ピアスやイヤリングなどのアクセサリーなどにも仕立てることができます。
持ち歩いたり身につけてお出かけできるのも女性にとってはうれしいですよね。

外部講座で行ったスキルアップレッスンの作品達

日本ホビーショー2025で展示された認定講師の作品達
アイディア次第でさまざまなものをかわいらしくアレンジできるのも、リボン刺しゅうならではの魅力でしょう。
初心者からプロへ。日本リボン刺しゅう協会(JRE)の歩みとこだわり

立体的なリボン刺しゅうのバラ
――一般社団法人日本リボン刺しゅう協会(JRE)について詳しく教えてください。
井上さん:2020年に設立し、現在は会員が約400名、認定校登録して活動している認定講師が約100名おります。
対面とオンライン講座を提供しており、北海道から沖縄まで全国39の都道府県に生徒がいます。
リボン刺しゅう自体は、独学で趣味として始めました。
私が日本リボン刺しゅう協会(JRE)を設立した背景には、自身の深い原体験があります。
過去、ワンオペ育児などで心身ともに疲れ果てていた時期、私を救ってくれたのは、針と糸で自分の世界を表現する「手仕事」でした。無心になってリボンをふんわりと刺していく時間は、私にとって何よりの癒やしとなり、前を向く力を与えてくれたんです。

リボンを刺している様子
その後、刺しゅう作家・講師として活動を続ける中で、私の元には「さまざまな資格は取ったけれどお仕事に活かせていない」「趣味から仕事に繋げられない」と悩む女性が多くいらっしゃることに気づきました。
そこで、「手仕事が大好きな先生たちが、自分らしく輝き、実際に活躍できるステージを作りたい」と強く思うようになりました。
辛い経験や挫折を知っているからこそ、ただ技術を教え合うだけでなく、女性の心に優しく寄り添い、共に励まし合える「愛と癒やしのコミュニティ」を作りたい。そんな想いが形になったのが、この日本リボン刺しゅう協会です。

しあわせのリボン刺しゅう認定講師講座 プルミエコース(中級)の作品
子どもが通っていた幼稚園でボランティアで1年手芸教室を開いた経験があり、終了後も2名のママ友が継続して通ってくれました。
2019年にリボン刺しゅうの本(『しあわせのリボン刺しゅう』日東書院本社)を出版してオンライン講座を始めたところ、受講希望者が殺到しました。
当時は受講生150名ほどを1人で教えていたのですが、「認定講師を増やしてさらに多くの受講生にリボン刺しゅうの楽しさや夢を叶える素晴らしさを伝えたい」と思ったのも、設立のきっかけの一つです。
――協会が大切にしている理念や想いも教えていただけますか?
井上さん:日本リボン刺しゅう協会が大切にしているのは、趣味を通じて癒され、スキルを磨き、人生の主役になれる「かけがえのない場所」を作ることです。
協会は、子育てや仕事と両立しながら自分の好きなことを生かし、自己実現できる女性たちを応援しています。
刺しゅうセラピーを通じて、技術だけでなく針仕事のリハビリ効果で笑顔と癒やしを拡げていきたいと考えています。
今後も、地域環境を問わず、趣味を通じて価値観や考え方が合う人々とつながり、自分らしくいられる「サードプレイス」* を提供していきたいです。

受講生同士が交流できるクリスマスパーティーの様子
オンラインでも対面でも、忙しい方でも学びやすい仕組みとは

しあわせのリボン刺しゅう認定講師講座 フェアリーコース(初級)で作れる作品たち
以下は、日本リボン刺しゅう協会が開催している講座の一例です。
| コース名 | 主な内容 | おすすめな人 |
|---|---|---|
| エンジェルWS | 刺しゅうの楽しさを体験できるワークショップ | リボン刺しゅうを体験してみたい方 |
| フェアリーコース(初級) | 初級のリボン刺しゅう | リボン刺しゅう初心者の方 |
| プルミエコース(中級) | 中級のリボン刺しゅう | フェアリーコース(初級)修了者 |
| ドゥゼームコース(上級) | 上級のリボン刺しゅう | プルミエコース(中級)修了者 |
| おまとめセットコース | 初級~上級まで受講できる | 初級~上級まで体系的に学びたい方 |
| エトワールコース(マスターコース) | 上級の上のスキルアップ講座 | 初級~上級修了者 |
| La Vie en Roseコース | 立体バラに特化 | 優美なバラを刺せるようになりたい方 |
| Bon Mariageコース | マリアージュ小物の制作 | 結婚式で飾る小物を作りたい方 |
| Atelier Claire フランス刺繍Zoom講座 | フランス刺繍の基礎から学べる | 刺繍の表現の幅を広げたい方 |
近くに認定校があって講師から対面で指導を受けたい方はリアル受講、近くに認定校がない場合や自宅から決まった時間にレッスンを受けたい方はオンライン受講、決まった時間の受講が難しい方や自分のペースで進めたい方は通信受講を選ぶとよいでしょう。
エトワールコース(マスターコース)の受講風景
全国の認定校は、認定校紹介ページからお探しください。
「受講したい」方はもちろん、「受講を悩んでいて相談したい」方は、ご相談・申し込みフォームから問い合わせてみるのがおすすめです。
――日本リボン刺しゅう協会は、どのような方が受講されますか?
井上さん:受講生は、約8割が趣味目的で、ほぼ全員女性の方ですね。
趣味と言っても、「かわいいからやってみたい」方、リフレッシュ目的の方、子どもや孫になにか作ってあげようと考えている方などさまざまです。
子育て中、親の介護、フルタイム勤務など、それぞれの事情を抱える女性が多く、夢を諦めずに済むよう、オンラインとリアルを融合させた選択肢を提供しています。
過去には、「自分自身が病気を患っておりベッドの中でも楽しめる趣味を探していた」と学び始められる方もいました。
約2割は、すでにハンドメイドのお仕事をされている方や、今後ハンドメイドをお仕事にしたい方です。
趣味ではじめられた方が、その後、マルシェで販売されたり、WSを始められたりされる場合もあります。周りで活躍されている講師の先輩方に刺激を受けて活動をスタートされる場合も多いのがJREの特色です。
平日は会社で働き、週末は副業でハンドメイドをする方もいます。
年代もさまざまで、20~80代まで、幅広い世代の方が年齢関係なく高め合われています。

東京ビックサイトで開催された「日本ホビーショー2024」に参加された40名以上の講師の皆さま
日本リボン刺しゅう協会では、女性たちが夢を諦めなくてもいいように、リボン刺しゅうの技術はもちろん、お教室運営の方法やマインドセットを含めた+αの学びを提供しています。
講座は対面とオンラインで受講できますので、お好きな方をお選びください。
オンラインの場合でも、講師の手元を映すカメラがあり、どのようにリボンを刺すかをじっくり見ながら作品作りに取り組めます。
動画は見放題なので、後から見返せて便利です。

どの講座も、充実のテキストや何度でも繰り返し学べる動画など、初心者でも学びやすいよう工夫しています。
講座を受講される方のほとんどがリボン刺しゅう初心者ですが、皆さんどんどん上達していかれますね。
リボン刺しゅうが初めての方でも、リボン刺しゅうの技術を基礎からしっかり学んでいただければ、いつのまにか素敵な作品を作れるようになります。
達成感やときめきを感じたい方、リフレッシュしたい方、新たなキャリアの可能性を見つけたい方は、ぜひリボン刺しゅうにチャレンジしてみてください。

2026年からスタート 日本リボン刺しゅう協会監修「井上ちぐさのリボン刺しゅう」ヴォーグ学園名古屋校の認定講師登壇作品
初心者の方も経験者の方も、まずは初級のフェアリーコース(初級)から受講されるのがおすすめです。
オンラインなら全国どこからでも気軽に参加できていいですね。
動画は見放題とのことで、やり方を忘れてしまった際にも大いに役立ちそうです!

1Day Lesson エンジェルWSで作れる勿忘草のイニシャル入りサシェ

しあわせのリボン刺しゅう認定講師講座 ドゥゼームコース(上級)で作れる作品たち
【現場の声】人生に彩りを。講師・生徒たちが実感する「表現する喜び」

届いた時にときめいていただけるようにラッピングにもこだわっています
――実際に日本リボン刺しゅう協会の講座を受講した生徒の活躍や変化などを教えていただけますか?
井上さん:初心者から始めた方でも、講座を受講してイベントに出店したり販売を始めたりお教室を始めたりされています。
私が18年の間に築いてきた人脈も紹介しており、それを活かして三越カルチャーサロン*1 やヴォーグ学園*2で教える講師になったり、三越、伊勢丹、阪急梅田など有名デパート出店や海外イベント(シンガポール)に参加したりした活躍事例も多くあります。
参考:カルチャーサロン | 日本橋三越本店
参考:ヴォーグ学園

「三越手芸ーMITSUKOSHI SHUGEIーsalon de la création&savoir-faire」
シンガポール展示会2024での集合写真
特に印象的だったのは、60歳で定年を迎えてからリボン刺しゅうを学び始めたのを機に、とても活動的になられた方です。
親御さんの介護もあり住んでいる地域以外へは出ていなかったそうですが、全国のリボン刺しゅうのイベントに参加したくてさまざまな県に行かれるようになりました。
その方曰く、「年齢はただの数字。今日という日が一番若いのだから、いつから始めても決して遅くはありませんよ。」だそうです。
以前、私が何気なくお伝えしたこの言葉を、ご自身の「人生の格言」として胸に深く刻んでくださっているそうです。今ではその言葉を原動力にして、とても前向きに、そして意欲的に新たなことへ挑戦されています。
私の言葉がどなたかの背中を押し、いきいきと輝くきっかけになれたこと、心から嬉しく思っています。
また、赤ちゃんが0歳のときにリボン刺しゅうの資格を取ったママさんも印象的で、子どもを育てる合間にオンライン体験レッスンを開き、自宅サロンを開かれていました。
最初は趣味で通われていましたが、周りの皆さんを見て「私もなにかできたらいいな」と思い、お仕事を開始されたそうです。
リボン刺しゅうをきっかけに人生が変わった方が大勢いらっしゃるんですね。
正直、リボン刺しゅうの作品を見ても「かわいい」だけで終わってしまって自分がやってみようと思わない方は多いでしょう。
だからこそ、「やってみたい」「やってみよう」と思った方には、ぜひ一歩を踏み出していただきたいです。
心が動いたときに行動にうつしてみる勇気がある方たちが、夢をつかんでいると感じています。

ボンマリアージュコースの様子(ザ・リッツ・カールトン大阪にて)
あなたもリボン刺しゅうの世界へ。協会が描くこれからの展望

一般社団法人日本リボン刺しゅう協会の方々 一人一人が自分の人生の花を咲かせることができますように
――協会の今後の展望を教えていただけますか?
井上さん:手仕事(針仕事)離れの風潮がある中で、日本の美しい伝統である針仕事をライフスタイルに溶け込ませたいと考えています。
1日15分でも針を動かすことで得られる癒し(刺しゅうセラピー)を通じて、女性たちが愛と幸福に向かって歩む手助けもしていきたいです。
倒産する手芸屋さんが多い現状に対し、手芸メーカーと協力し、ハンドメイド業界全体の発展に尽力していく必要性も感じています。
ハンドメイドの価値をさらに高めていきたいし、社会貢献の活動も続けていきたいです。

フォトブックに記された「バラ色の人生を」のメッセージに協会の想いが凝縮されている。
現在は、B型施設などの福祉施設で刺しゅうを教えたりする認定講師も増えており、オリジナルバッグを寄付して施設利用者が手を加えて販売できるように支援する活動を行ったりしております。
――リボン刺しゅうを学んでみようか悩んでいる方に向けて、一言お願いできますか?
井上さん:一歩を踏み出したいけど踏み出せない方。
誰かのために頑張らなきゃと頑張りすぎている女性にこそ、リボン刺しゅうをおすすめしたいです。
もしかしたら、家族の反対や「今の自分にはできない」という思い込みで動けない方もいるかもしれません。
しかし、よくお話しさせていただくのですが、シャンパンタワーのように、まずは一番上にある「自分自身の心」を好きなことで満たしてあげることが大切です。
自分自身が楽しさや喜びに満たされてキラキラと輝き始めると、そこからあふれ出したあたたかな愛情が、ご家族や周りの方々へと優しく注がれ、みんなを笑顔にしていくのだと思います。

La vie en rose コース(立体薔薇を極める認定講師講座)フォローアップレッスン(北野異人館 旧クルペ邸にて)
女性はどの年代でも落ち着く時はないものです。「今の自分には無理」と決めつけず、「やってみたい」と思ったら素直に自分の心の声に従ってみてください。
誰もが人生を変えられる可能性を秘めていることを忘れてはいけません。

リボン刺しゅうを始めてみませんか
皆さんが一歩を踏み出し人生を彩る新しい扉を開くのを、心よりお待ちしております。

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井上さんの話を聞いていて、私の手元にある小物にリボン刺しゅうをしたらもっとかわいくなるだろうな、と想像してしまいました。
短時間で作れるなら、モチベーションも保ちやすそうですね!