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日本けん玉協会に直撃|幼児・小学生~大人までハマるかっこいいけん玉道の世界

日本けん玉協会に直撃|幼児・小学生~大人までハマるかっこいいけん玉道の世界
  • 今回お話を伺った方
    • 公益社団法人 日本けん玉協会 理事長

      田中 十志也氏

      子どもとともにけん玉を始めたことをきっかけに活動を広げ、日本けん玉協会理事長に就任。伝統的な技と精神性を重んじる「けん玉道」の普及に尽力し、国内外の大会・認定制度の発展や指導者育成にも力を注いでいる。世代や国境を超えて広がるけん玉文化の継承と発展を目指して活動中。

多くの方が一度は耳にしたことのある「けん玉」。

今や「KENDAMA」「けん玉道」として世界中で人気となっており、特にアメリカやヨーロッパでは、ストリートカルチャーやスポーツとして進化を遂げています。

今回は、そんなけん玉について詳しく知るべく、公益社団法人 日本けん玉協会(英名:Japan Kendama Association)理事長の田中十志也氏にお話を伺いました。

幼児・小学生~大人までハマってしまうけん玉の魅力や、けん玉認定(級・段位認定制度)について取材しているので、ぜひ最後までご覧ください。

 日本けん玉協会 公式サイトへ 

日本けん玉協会とは?日本のみならず世界中で大流行

公益社団法人 日本けん玉協会 理事長 田中 十志也氏

公益社団法人 日本けん玉協会 理事長 田中 十志也氏


――日本けん玉協会はいつ頃どのように設立されたのですか?

田中さん:
1975年に設立し、現在は1,900名以上の活動会員がいます。

下は幼稚園から、上は80代まで、幅広い年代の方が認定や大会に参加されています。

日本けん玉協会を設立したのは、南極物語の作家である藤原一生氏です。


藤原氏が病気になった際、リハビリにけん玉を活用したのがきっかけだったようです。

仲間たちとの試行錯誤の結果、けん玉を普及させるための競技の基準を設け、共通規格のけん玉の開発に至りました。

同時に、指導のやり方やコミュニケーションの取り方、技の開発などの研究も進められてきました。

玉とけんだけのシンプルな道具ですが、技の種類は30,000~80,000種類あると言われています。

技の数からもわかるように、シンプルだからこそ、技の創造性を育みやすいという特徴を持っています。

――けん玉は海外でも大人気だとお聞きしました。

田中さん:
海外のプロスキーヤーやプロスノーボーダーの方が、練習の合間にけん玉に取り組んでいたようで、そこから海外での人気にも火がつきました。

いわゆるストリート系と呼ばれるスタイルが、世界中で流行っています

たとえば、音楽を流しながらけん玉をしたり、ダンスをしながらけん玉をしたり、王道のけん玉よりもスタイリッシュな「KENDAMA」が海外から発信されています。

それぞれがチャレンジを続ける中で毎日新しい技を発見していくので、今も技は増え続けているでしょう。

日本けん玉協会設立当初、けん玉の開発者は、このような発展を遂げるとは考えていなかったと思います。

海外でけん玉が流行り始めたのは2000年代からで、アメリカやオランダなどを中心に爆発的に広まりました。

ストリート系も今後ますます発展していってほしいと思っていますが、日本けん玉協会で推進しているのが、伝統的な技の正確性や型を重んじる「けん玉道」の普及です。

柔道や剣道と同じように、礼に始まり礼に終わるスポーツとして、けん玉を確立していきたいと考えています。

けん玉に取り組まれる方の中には技だけではなく精神を大切にしたい方も多く、日本国内や海外から多数のお問い合わせをいただいております。

けん玉協会公式サイトの画像

けん玉の歴史と歩みを感じさせる日本けん玉協会本部の展示

けん玉の魅力|可能性は無限大

――けん玉の魅力を教えてください。

田中さん:
けん玉は、年齢関係なく楽しめて、達成感や喜びを分かち合えるツールです。

遊びや競技だけではなく、大切な場面に向けて気持ちを整えたいときや集中したいときの習慣としても取り入れられています。

「もしかめ」* というけん玉の技がありますが、繰り返すことで自然と目の前の動きに意識が向きやすくなります。
* けん玉の大皿と小皿に交互に玉を乗せ続け、その回数を競う基本技

 
日本けん玉協会の会員2名が昨年「もしかめ」を12時間やり続けましたが、「集中状態に入っているので、いつまで続けても落とす気がしない」と言っていました。

その特性を活かし、試合前の習慣として取り入れられているスポーツ選手の方も多いようです。
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ここからは、日本けん玉協会が長年伝えてきたけん玉の代表的な魅力を解説します!

  • 天候・年齢に関係なく楽しめる
  • 手先が器用になる
  • 運動が苦手な方でも始めやすく続けやすい
  • コミュニケーションツールとしても優秀
  • 技が決まると達成感がある

天候・年齢に関係なく楽しめる

けん玉は、特別な広い場所や天候条件を必要とせず、屋内外を問わず気軽に楽しめるのが大きな魅力です。

雨の日や暑さ・寒さが厳しい季節でも室内で練習でき、生活スタイルに合わせて無理なく続けられます。

また、子どもからシニアまで同じ道具で挑戦できる点も特徴です。

2025JKAワールドオープンけん玉フェスタでも幅広い年代の方が活躍

2025JKAワールドオープンけん玉フェスタでも幅広い年代の方が活躍


体力差が結果に直結しにくく、自分のペースで上達を目指せるため、世代を超えた共通の趣味としても親しまれています。

家族や地域の交流ツールとして取り入れやすい点も、けん玉ならではの強みといえるでしょう。

手先が器用になる

けん玉は、玉の軌道を見極めながら細かく手首や指先を調整する必要があり、繰り返し練習することで自然と手先のコントロール力が鍛えられます

特に、皿に乗せる・止める・引き上げるなどの動作は、微妙な力加減やタイミングの感覚を養うトレーニングになります。

その結果、日常生活でも細かい作業がしやすくなったと感じる方も少なくありません。

遊び感覚で続けながら器用さや集中力が身につくため、子どもの発達サポートや大人の脳トレとしても注目されています。

長崎女子短期大学の研究でも、けん玉を始めとするお手玉やあやとりなどの伝承遊びが脳の覚醒を促すとわかっています。

参考:長崎女子短期大学「手指の運動を中心とした伝承遊びが覚醒水準に与える影響」

運動が苦手な方でも始めやすく続けやすい

激しい運動が求められないけん玉は、体力に自信がない方やスポーツが苦手な方でも気軽に挑戦できます。

必要なのは、大きな筋力よりもリズム感やタイミング、集中力です。

短時間の練習でも達成感が得やすいため、運動習慣が続きにくい方でも継続しやすいでしょう。

また、場所を選ばず一人でも取り組めるので、忙しい日常の中でも取り入れやすい点も魅力です。

軽い全身運動になるため、楽しみながら自然に身体を動かすきっかけとしても適しています。

関西学院大学の複数の専門家が実施したけん玉研究でも、けん玉の上達とともに巧緻性が高まり、「もしかめ」を10分間行った際の運動強度はストレッチングと同程度の運動強度だとわかっています。

参考:関西学院大学「研究成果報告 2020-2022年度大学共同研究費 けん玉の効果に関する学問横断的基礎研究」

コミュニケーションツールとしても優秀

けん玉は、シンプルな遊びでありながら、世代や言語を超えて交流が生まれやすいという特徴があります。

技を教え合ったり見せ合ったりすると自然に会話が生まれ、初対面でも距離を縮めやすいのがポイントです。

大会やイベント、認定などを通じてコミュニティが形成されるケースも多く、共通の目標を持つ仲間とのつながりが広がります。

世代を超えてけん玉を楽しんでいる様子

世代を超えてけん玉を楽しんでいる様子


学校・地域活動・国際交流の場でも活用されており、「遊び」と「交流」を同時に実現できるツールとして注目されています。

慶應義塾幼稚舎では、コミュニケーションの促進や達成感を得ることを目的に、けん玉を使った授業が行われました。

けん玉認定を授業に取り入れた結果、回が進むにつれて子どもたち同士で励まし合いながら努力する姿が見られるようになり、互いを認め合いながら授業が展開していったそうです。

参考:個性を活かす総合学習の展開ー「けん玉」を取り入れた授業を通してー

技が決まると達成感がある

けん玉の醍醐味は、挑戦していた技が決まった瞬間の達成感にあります

けん玉競技の様子

けん玉競技の様子


最初は簡単な技でも思うように成功しないかもしれませんが、練習を重ねるうちに少しずつ成功率が上がり、自分の成長をはっきり実感できるでしょう。

この成功体験の積み重ねが自信につながり、さらに難しい技に挑戦する意欲を引き出します。

級・段位の認定制度など目標設定もしやすく、努力の成果が形として見えやすい点も魅力です。

趣味としてだけでなく、自己肯定感を育てるツールとしても評価されています。
日本けん玉協会 公式サイトへ
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多くの方がけん玉をご存知だと思いますが、魅力の多さに驚いたのではないでしょうか。

他にも、まだまだ以下の点が魅力として挙げられます。

・低コストで始められる
・道具一つで手軽に始められる
・技のバリエーションが多くて飽きにくい    

段位や検定制度に関しては、以下で詳しく説明します。

日本けん玉協会の「けん玉認定」とは?

日本けん玉協会の級位認定証

日本けん玉協会の級位認定証


――日本けん玉協会の「けん玉認定」について教えてください。

田中さん:日本けん玉協会活動会員のほとんどは、段位取得者です。

10級から十段まであり、初段取得時にほとんどの方が会員になられます。

会員になっていると、段位の登録料が会員割引になります。

1番簡単な10級は、10回に1回大皿に玉を載せれば合格できます。

年齢関係なく挑戦できる認定なので、幼稚園児~80代まで、毎年幅広い層の方が受けています。

中には、幼稚園児で四・五段を取得する子どももいますよ。

目に見える形で努力の結果が分かるのが、モチベーションにつながっているようです。
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10級ならけん玉初心者の私でも合格できるかもしれません!

けん玉協会が定める級位認定表

けん玉協会が定める級位認定表


けん玉協会が定める準初段認定表

けん玉協会が定める準初段認定表


参考:公益社団法人 日本けん玉協会「級・準初段の技」

けん玉を始めたきっかけは?初心者は何から始めたらいいの?

――田中さんがけん玉を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

田中さん:
実は、子どもと一緒にけん玉を始めたんです。

子どもが小学2年生の頃、市内のお祭りで開催されたけん玉大会で「もしかめ」をやって優勝したことがあり、地域のけん玉道場からお声がけをいただいて通い始めました。

子どもは、中学生以降、勉強や部活で忙しくけん玉から疎遠になってしまいましたが、私はけん玉と関わり続け、今理事長を務めているというわけです。

日本けん玉協会本部には、私のように親子でけん玉を始めたのがきっかけでお仕事をしてらっしゃる方がいます。

けん玉をやっていると、どんどん輪や縁が広がっていって、楽しいと感じる気持ちを自然と他の方につないでいきたくなります

けん玉で縁がつながっていくのは、本当にありがたいことです。
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楽しいから教えたくなる。他者とつながるから楽しさがさらに加速するということですね。
それだけけん玉が魅力的だという証明にもなりますね。

日本けん玉協会では、初心者から楽しむことができる「ワールドオープンけん玉フェスタ」と、全国各地を回って開催される「けん玉秋の祭典」を開催しています。

日本けん玉協会が主催するものだけではなく、会員が自主的に開催している教室やイベントなども不定期で開催中です。
日本けん玉協会の公式Instagramへ

――初心者がけん玉を始める場合、何から始めたらよいでしょう?

田中さん:
大皿に玉を乗せて浮かすことから始めてみてください。

手だけを動かすのではなく、膝で持ち上げる意識でやってみると成功しやすくなるでしょう。

膝だけでなく、手の力も抜いてやってみてください。

強く握ってしまうとけん玉自体が硬くなってしまいますが、柔らかく持っていると衝撃を吸収しやすくなります。

日本けん玉協会の級・段位の技は何歳からでも挑戦できるので、ぜひトライしてみてください!

私も、けん玉を始めたのは43歳からでした。

70代から始めて段位取得までいった方もいます。

頭で考えるのではなく見たままを真似るのが、上達への近道です。

参考:公益社団法人 日本けん玉協会「はじめてのけん玉」

けん玉を愛する方々のエピソード

――けん玉を愛する方々のエピソードを教えてください。

田中さん:静岡におられる80代のAさんは、東京や北海道の大会・イベントにも参加されています。

技が飛びぬけて上手なわけではありませんが、けん玉への情熱がすごいと感じています。

過去には、90代でハーモニカを弾きながら「もしかめ」をされていた方もいました。

徳島のNさんは、ご自身でけん玉を作って楽しんでらっしゃいますね。

――私も、子どもに紙コップとピンポンボールでお手軽けん玉を作ったことを思い出しました。

田中さん:
昔は、カップ&ボールといってカップと玉だけで楽しんでいた時代もあったそうです。

 
長崎にけん玉が入ってきたときは、玉とおちょこで楽しんでいたんだとか。

お酒の席で使われることが多く、おちょこに玉が乗ったら成功で、お酒が飲める遊びだったとの文献が残っています。

もともとは、狩猟民族から始まったとも言われていて、骨や木を使って「剣で穴を刺す(獲物の急所を刺す)」訓練用具として用いられたとされています。
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そんな古くからけん玉があったとは知りませんでした!
けん玉の歴史をもっと詳しく知りたい方は、以下をチェックしてみてください。

参考:公益社団法人 日本けん玉協会「けん玉の歴史」

放送部でけん玉のドキュメンタリーを作り、全国大会に行かれた方もいます。

けん玉のVRソフトを作った方もいて、VRの世界の中でけん玉をやってから実際にけん玉をやると上達が早いそうです。

けん玉をいくつもつなげて、一度に皿に玉を乗せる挑戦をされている方もいます。
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けん玉への愛と情熱、探究心が伝わってきます。

全国各地にけん玉のファンがいて、さまざまな技や楽しみ方を広げているのですね。

 
 
けん玉に触れられる方は、国内だけでも大勢います。

しかし、級・段位を認定できるレベルの方はまだまだ少ないのが現実です。

そこで、指導員になれる大人の育成に力を入れていきたいと考えています。

指導員が育てば、子どもにも正しく指導できるようになり、今よりもっと多くの方にけん玉を楽しんでもらえるようになるはずです。

全国47都道府県のうち、まだ5県ほどに支部がありません。

しかし、支部がなくてもけん玉を楽しんでいる方は確実にいるので、そういう方にその県でけん玉の魅力を広めていっていただけるような働きかけをしていきたいです。

けん玉をこれから始めようとしている方にメッセージ

――これからけん玉を始めようか迷っている方にメッセージをお願いします。

田中さん:
けん玉は、いつでもどこでも誰でも始められます。

日本けん玉協会の公式サイトには認定や各地域の情報が載っているので、ぜひ参考にしてみてください。

全国各地で大会やイベントが行われていますので、足を運んでいただけたら嬉しいです。

「けん玉秋の祭典」では、初心者から上級者までがそれぞれの力量に分かれて対戦するクラス別選手権大会やパフォーマンス大会だけでなく、けん玉の使い方や技をレクチャーする「けん玉教室」も開催しています。

イベントでけん玉の技をレクチャーする様子

イベントでけん玉の技をレクチャーする様子


予約なしで参加できますので、ご都合が合う方はぜひ足を運んでみてください。

日本けん玉協会 公式サイトへ
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田中さんの話を聞いていたら、ものすごくけん玉をやりたくなってきました。

ということで、取材の次の日にけん玉を購入し、小学生の子ども2人と夫と一緒に早速やってみました。

毎回数分ほどなのですが、ちょっとしたスキマ時間に練習を続けたら、数日でも上達が実感できました!(全員すべての皿に玉を乗せられるようになりました)

気軽にスキマ時間で遊んでいただけなのに、できるようになっていくのがわかるんです。

この記事を読んでうずうずしてきた方は、ぜひ一緒にけん玉を始めてみませんか?

日本けん玉協会の公式サイトでは、各地域の教室情報やイベント情報も確認できますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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WRITER

この記事を書いた人
鳥井美奈

鳥井美奈

元保育士のライターでわんぱく兄弟の母。趣味は広く浅く、今は日本酒、料理、自分磨きにハマっています。他にもスノボ・ゲーム・漫画・手芸など、やりたいことが多すぎて時間が足りません。教育からファッションまで、幅広い分野の執筆をしています。

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