このように、心理学やコーチングを学び、仕事に活かしたいという声は少なくありません。一方で、学んだ知識や技術を、継続的な仕事につなげることに難しさを感じる人もいます。
一般社団法人ジャパンストレスクリア・プロフェッショナル協会は、「学んでも仕事になりにくい」「自分らしく生きようとしても結局苦しくなる」という業界の構造的な課題に、真正面から取り組んできました。
2014年11月の設立以来、10年以上にわたり活動を続け、会員数は約2,500名、年商1億円を超える規模へと着実に拡大している同協会。
その背景には、代表理事・森優洵(もり やすと)さんが開発した独自技術「ストレスクリア」と、個人では決して実現できない「協会」という仕組みへのこだわりがありました。今回は森さんに、設立の背景から講座体系のこだわり、そして今後の構想までを、たっぷりと伺いました。

一般社団法人ジャパンストレスクリア・プロフェッショナル協会 代表理事 森優洵氏
心理学業界の「3つの壁」。ストレスクリア誕生の背景
――まず、協会を立ち上げられた背景や、大切にされている理念について、教えていただけますか。森さん:名古屋でコーチングスクールをしており、プロコーチとしては26年目になります。人の人生をより良くしたい、心理学的なことを仕事にしたいと思って26年前から活動していた中で、業界の「3つの壁」を感じていました。
1つ目は、悩みに具体的な変化をもたらせる実践的な技術が、心理学系の仕事にはなかなかないこと。
2つ目は、仕事にしたい人は山ほどいるのに、実際に仕事になっている人はあまりいないこと。
3つ目は、「自分らしく生きよう」「心理学を仕事にしよう」と言う人は多いが、実際にそれを実現している人がほとんどいないこと。
想いはあってもしっかりとした仕事の形にしないと、結局みんなが不幸になってしまうため、まずは成果につながる実践的な技術を確立しようと思いました。
そこで生まれたのが、たった2つの質問と1枚のシートを使い、長年抱えてきた悩みに向き合う「ストレスクリア」という技術です。
多くの方に変化のきっかけを届けられる「ストレスクリア」の技術を、世界中に広げたいと考えました。


――協会という形にしたことで、実際にどんな変化がありましたか。
森さん:当時はまだオンラインが流行る前の時代で、名古屋でコーチングスクールをしている立場からすると、東京でセミナーをすることが「全国区になった」という感覚だったんです。協会という枠組みを作ることで、日本全国でコーチングの先生を養成し、活躍できるように育てるというコンセプトが実現できました。
一人では続かない。協会だからこそ実現できる分業体制
――協会にすることで「仕事にしやすい環境」ができたというお話がありましたが、具体的にどのような仕組みなのでしょうか。森さん:一人でコーチとして仕事を始めようとすると、技術を身につけて、集客をして、セールスをして、セッションをして、アフターフォローをする。そして、また新規集客をする。このように、すべてを一人でやらなければなりません。
そうすると多くの方が、セッションをするよりも集客やセールスに時間を取られてしまい、いつの間にか「集客屋さん」のようなビジネスになっていきます。
コーチとして成功するには、セミナー(講座)とセッションの両方をバランスよく展開することが重要です。しかし、それぞれを一人で作り、運営するのは非常に難しい。セッションをやるだけで忙しいのに、セミナーを作る時間がないんですよ。多くの方が中途半端に手を出して、形にならずに消えていってしまう。
そこで協会側で、世界中に通用するコンテンツやテキスト、集客の仕組み、セールスの仕組み、継続課金の仕組みまで、すべて用意しました。
集客やセールスは協会が担うので、講師はセッションや講座の質を高めることに専念できます。大きなビジネスになる仕組み自体を協会で作っているので、一人では実現できなかったことが可能になるんですよ。

協会という形をとることで、学びに集中できるようになりました。生き生きとしていて、楽しそうな受講生さんが印象的です。
現場の声から生まれた、心理学講座からビジネス講座までの段階的体系
――現在は心理学講座、コーチ養成講座、トレーナー養成講座、ビジネス講座と、段階的な体系になっていますが、この体系はどのような経緯で作られたのですか。森さん:実はとてもシンプルな理由からです。まずコーチを養成する講座を作ったところ、コーチになった方の中から「コーチを養成するトレーナーになりたい」という声が出てきました。
また、セッションを提供したお客様から「私もあなたみたいなコーチになりたい」と言われることも多く、コーチだった人が自分のお客様をコーチに育てるため、トレーナー養成講座の需要が生まれました。
心理学講座も同様です。コーチ養成講座の説明をすると、「コーチになる気はないけれど、自分が変わることができる講座はありますか」と聞かれることがあり、それに応える形で作りました。
そしてビジネス講座ですが、心理学系の方が一般的なビジネス講座を受けても、「とにかく行動しましょう」「お客さんが欲しいものを売りましょう」という考え方についていけないことが多い。そういう背景のもと、ストレスクリアという専門スキルを、きちんと収益化するためのビジネス講座を作ってほしいという要望に応えました。
これはストレスクリアの大きな考え方でもありますが、仕事とは「環境適応」だと思っています。
現場や市場から本当に必要とされたものを提供していけば、無理なくビジネスが成立します。必要でもない人に一生懸命売っても、お互いが不幸になるだけです。だから現場の声に合わせて、必要な講座をどんどん作っていきました。

――講座と資格はどのように連動しているのでしょうか。
森さん:基本的に、受けた講座に応じた資格を取得できる仕組みになっています。
心理学講座は、誰でも自由に学べる場にしています。それ以外の講座も、資格を取得せず、学びを目的に受講可能です。
ただし、コーチやトレーナーとして有償でセッションやセミナーを行うには、ストレスクリアの認定試験に合格する必要があります。
講座が終わっても居場所がある。「自己探求スクール」という継続学習
――講座を受けた方は、皆さんコーチやトレーナーとして仕事にしていきたいと考える方が多いのでしょうか。森さん:協会内でアンケートを取ると、「学ぶだけでいい」という人は1割ほどしかいません。
逆に「仕事としてしっかりやりたい」という人も、1〜2割程度です。つまり、学ぶだけでは物足りないものの、本格的に仕事にするのも望んでいない方が、実は7〜8割もいることになります。
そういう方たちが求めているのは、仲間と一緒に活動できる場所です。協会では、講座が終わった後に「自己探求スクール」という継続学習の場を用意しています。
継続学習の講師はトレーナーになった方が担当し、曜日ごとのクラスを年間単位で受け持ちます。もちろんボランティアではなく、担当者には講師料が支払われる仕組みです。

講座では、それぞれが意見を言い合ったり、ディスカッションを行ったりしています。
――学んだ後も、継続してコミュニティがあり、その中でお仕事の場も設けられているということですか。
森さん:そうです。協会の理念に「変化の探求」「場の創造」「生き方を仕事にする」という3つの柱があります。中でも「場の創造」は、人が幸せを感じるうえでとても重要だと考えています。かつては大家族や職場がコミュニティの役割を担っていましたが、今はそのどちらも機能しにくくなっています。
協会が提供する継続学習の場は、生涯にわたって所属できるコミュニティです。「ゆりかごから墓場まで」という言葉がありますが、まさに墓場まで面倒をみていけるコミュニティを目指しています。
「自己探求スクール」で講師を担ったり、自分のペースで学びながら、次の講座に進みたい人は進んでいく。そうやって10年以上、協会に関わり続けている方もたくさんいらっしゃいます。

時には少人数で意見を言い合いながら進めることも。仲間と一緒に学べる大切な時間です。
活躍の場と受講後の変化。「悩みと仲良くなる」という逆転の発想
――資格取得後、皆さんはどのような場面で活躍されていますか。森さん:一番多いのは、プロのコーチやトレーナーです。年商1,000万円を超える方もいらっしゃいます。家族間の人間関係に関する相談が得意な方、経営者の悩みに寄り添うことが得意な方など、それぞれの得意分野を明確にしながら活動しています。
また、看護師さんやドクターなど医療現場で働く方が、職場のコミュニケーションや患者さんとの関わりにストレスクリアの考え方を活かしているケースも増えています。
占いをされている方が、鑑定の中でストレスクリア的な考え方を取り入れて話すと、喜ばれることもあります。ネガティブ思考を正しく扱うことが、こうした場でも活きてくるんですよね。
――印象に残っている変化のエピソードがあれば教えてください。
森さん:30年間心の不調に悩んでいた方から、10分のセッションをきっかけに悩みの捉え方が大きく変わったと聞いたことが印象に残っています。
他にも、不登校のお子さんを持つ方からは、受講後に親子の関係や子どもへの接し方が変わったという声をいただいたこともあります。
営業マネージャーの方が講座で学んだ内容を実践したところ、スタッフの売上が2倍近くになったという事例もあります。
ストレスクリアは、ネガティブな感情と戦うのではなく、「不安が来た。もっと不安になろう」と考えます。悩みと仲良くなってもっと悩もうと思うと、逆に早く消えていくという少し不思議な考え方に基づいているんです。
問題が大きい場合や、家族間の問題など関係性が深く関わっている場合でも、自分の内面を丁寧に見つめることを大切にしています。
自分の内面が、現実の捉え方にも影響するという考え方をもとに、自分自身と向き合っていくんですよね。
大切な思いがあるから、現実とのギャップに悩み、自己否定をしてしまう。心の奥にある「大事にしているもの」に気づくことで、悩みや現実との向き合い方も変わっていきます。

「電気・ガス・水道・ストレスクリア」。社会インフラを目指す協会の挑戦
――今後、日本のコーチング・自己成長市場において、協会だからこそ果たせる役割はどんなところにあるとお考えですか。森さん:最近よく考えているのは、「電気・ガス・水道・ストレスクリア」という形です。社会インフラは、命の安全を守るためのものですよね。
震災時には、避難生活による心身の負担や持病の悪化などを背景とした「災害関連死」も生じています。
だからこそ、心の負担をケアする仕組みも、これからの社会を支える基盤の一つと言えます。現在は、医療現場の最前線で頑張っている看護師さんやドクターにも、ストレスクリアの考え方を広めていく取り組みを進めています。
今後、家庭や教育、介護、老後の生活など、あらゆる場面で人の命や暮らしを支える仕組みが必要になっていくはずなので、ストレスクリアで自分の所属する場所を守っていける人を増やしていきたいです。
協会全体で、これまで解決が難しいとされてきた問題にも向き合える技術であることを、実績とともに伝えられれば、説得力が生まれ、社会にも受け止めてもらえると思っています。

協会という大きな組織だからこそ、個人として輝ける場所を作ることができるそうです。
悩みは消すものではなく、人生の目的への入り口
――最後に、これから学びを始めようか迷っている方へ、メッセージをいただけますか。森さん:悩みごとや困りごとは、実は人生最大の宝物です。そこにこそ、本来の自分や人生の目的につながる入り口があります。
例えば、どうしても消えない悩みや、何年も、何十年もかかっている苦しみがあるとしたら、それは「本当に大事にしたいのに、まだ手に入っていないもの」がその奥にあるからです。
その悩みを無理に消そうとするのではなく、悩みのプロフェッショナルになってほしいと思っています。自分の悩みに一番詳しいのは、自分自身です。自分が自分のプロフェッショナルになれれば、自分も、周りの人も幸せにできる。そんな悩みや苦しみの奥にある宝物を、一緒に探していきましょう。
――本日は、素敵なお話をありがとうございました。
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