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脳が本当に休まる「マインドフルネス」の正体とは?プロが教える、人生を変える“1日数分”の習慣と指導者の道

脳が本当に休まる「マインドフルネス」の正体とは?プロが教える、人生を変える“1日数分”の習慣と指導者の道
  • 今回お話を伺った方
    • 一般社団法人マインドフルネス瞑想協会 代表理事

      吉田 昌生氏

      2009年よりマインドフルネス指導を開始。世界40ヵ国以上でヨガ・瞑想を学び、日本におけるマインドフルネス普及の第一人者として活動する。著書累計15万部超。指導者育成は400名以上にのぼり、企業・教育・医療分野での研修実績も多数。

「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」「気づくと頭の中がずっと忙しい」——そんな感覚を抱えている人は、決して少なくありません。スマートフォンや通知、日々あふれる情報に囲まれて、私たちの脳は気づかないうちに、ずっと“オン”の状態になっています。

そんな現代において、脳を休ませ、鍛える方法として注目されているのがマインドフルネスです。

一般社団法人マインドフルネス瞑想協会代表理事であり、株式会社MLC.代表取締役も務める吉田 昌生氏

一般社団法人マインドフルネス瞑想協会代表理事であり、株式会社MLC. 代表取締役も務める吉田 昌生氏


今回は、2017年に設立された一般社団法人マインドフルネス瞑想協会代表理事であり、株式会社MLC. 代表取締役も務める吉田 昌生氏にインタビュー。マインドフルネスの本質から、協会設立の背景、講師養成講座の特徴やこだわり、そして「伝える側」になることで起きる変化まで、じっくり伺いました。
一般社団法人マインドフルネス瞑想協会 公式サイトへ

「集中法」でも「リラックス法」でもない。マインドフルネスの本当の意味

――マインドフルネスという言葉が広まりましたが、よくある誤解と、本来の意味の違いを教えてください。

吉田さん:マインドフルネスというと、「集中すること」「リラックスすること」「気持ちを前向きにするためのテクニック」だと思われがちです。もちろん、結果としてそうなることはありますが、本質はそこではありません。

本来の定義は、「ありのままの自分に気づくこと」です。

集中できない自分、リラックスできない自分、前向きになれない自分。そうした状態に気づいていること自体が、すでにマインドフルネスなんです。良い・悪いと判断せずに、今の自分に気づき、ありのままを受け入れていく。これはテクニックというより、「どう生きるか」という姿勢に近いものだと思っています。

結果として、リラックスしやすくなったり、集中しやすくなったり、前向きな気持ちが湧きやすくなることもあります。でも、「今の自分がダメだから変えよう」という発想ではありません。まずは今の自分を、そのまま受け入れることが出発点です。

前向きになれない時も、「そういう時もあるよね」と自分に向けて優しさを持てるようになる。「これでいいんだ」と、自分や人生を少しずつ認められるようになる。そこが、マインドフルネスの大きな価値だと思っています。

考えすぎる脳を休ませる。脳科学から見たマインドフルネスとは

――マインドフルネスや瞑想というと、「無になるのが難しい」というイメージを持つ人も多いと思うのですが、実際にはどんなことをしているのでしょうか?

吉田さん:瞑想では、「無になろう」とするのではなく、むしろ雑念がいろいろ湧いてくる自分に気づく練習をしていきます。

練習を続けていくと、考えすぎる脳の過剰な活動、いわゆるデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が少しずつ静まっていくと言われています。

DMNとは、例えるなら「スマホのバックグラウンドで動き続けているアプリ」のようなものです。何もしていなくても、脳はこの無意識の活動に多くのエネルギー(一説には60〜80%とも言われます)を消費してしまいます。

マインドフルネスは、この開きっぱなしのアプリをいったん閉じて、脳を意図的に休ませるためのスイッチです。そういう意味で、マインドフルネスは単なるリラックスではなく「脳の休息法」とも言われているのです。

――それは、科学的にも確認されていることなのでしょうか?

吉田さん:もともとマインドフルネスは、悟りを開くためのブッダの瞑想法がルーツにありますが、近年は脳科学の分野からも研究が進んでいます。

瞑想を長年続けている人の脳をMRIなどで調べると、心が穏やかで、幸福感が高く、感情の切り替えがスムーズである傾向が示唆されています。これは、「気づき(アウェアネス)」を日常的に鍛えることで、前頭前野が活性化し、感情のコントロール力が高まるからだと考えられています。

こうした研究の積み重ねを背景に、マインドフルネスはGoogleなどの企業の研修にも取り入れられるようになり、実践の場でも使われるようになってきました。

さらに、欧米の著名人などをきっかけに注目が高まり、日本にも逆輸入的な形で知られるようになっていった、という流れがあります。日本には茶道や弓道など、もともと近い考え方が文化として根付いていたこともあって、比較的自然に受け入れられ、広がっていったのです。

「考えすぎて苦しかった」俳優時代。マインドフルネスとの出会い

一般社団法人マインドフルネス瞑想協会代表理事であり、株式会社MLC代表取締役も務める吉田 昌生氏

――先生ご自身は、どんなきっかけでマインドフルネスと出会ったのですか?


吉田さん:大学を卒業した頃は、俳優を目指して演劇をやっていました。「好きなことを仕事にしよう」と思って福岡から東京に上京し、一人暮らしをしながら活動していたのですが、現実はなかなか厳しく、生活のためにいろいろなアルバイトを掛け持ちする毎日でした。

知り合いのバーで働くこともあり、昼夜逆転の生活が続くようになりました。食事や睡眠も不規則になり、もともとはポジティブだった性格も、次第に心の余裕を失っていってしまったのです。

そして次第に、過去の出来事を何度も思い返しては後悔したり、「あんな言い方はなかった」「今度はこう言ってやろう」と、同じことをぐるぐる考え続けるようになっていきました。いわゆる反芻思考をしている状態です。

そんな状態が続く中で、「このままではよくないな」と思うようになり、少しずつ瞑想や呼吸に意識を向けるようになりました。

当時は背中が丸まり、鼻が詰まって口呼吸になっていたのですが、背骨を伸ばして姿勢を整え、鼻でゆっくり呼吸するようにすると、それだけでも心が落ち着いて、頭の中がすっきりする感覚がありました。

そこから、いろいろな瞑想会に参加するようになりました。はじめて1時間ほどの長い瞑想を体験したときには、終わったあとに世界がいつもより鮮やかに見えて、ハエが横切るのがスローモーションのように感じられました。「世界の見え方が変わる」という、はっきりした体験だったのを覚えています。

そんな体験を重ねる中で、「“悟り”とは、いったいどういう状態なんだろう」と、瞑想の奥深い世界そのものに興味を持つようになっていったのです。

――そこから、マインドフルネスを本格的に探究するようになったのはなぜですか?

吉田さん:最初は、「仏教は少し怪しいものなんじゃないか」というイメージも正直ありました。でも実際に実践してみると、とても科学的で、合理的な考え方なのかもしれない、と感じるようになったのです。

そこからさらに興味を持つようになり、インドに2ヶ月ほど滞在しました。寺院に泊まりながら瞑想し、現地で実践を重ねる中で、仏教やヨガ哲学といったものに本格的に触れるようになりました。

その体験を通して、「自分が“自分”だと思っていたものは、実はすごく主観的で限定的なものなのかもしれない」「もっと大きなつながりの中で生かされているのかもしれない」と感じるようになりました。そして、マインドフルネスを、より深く探求するようになっていったのです。

なぜ協会をつくったのか?「安心が広がる社会」を目指して

一般社団法人マインドフルネス瞑想協会

一般社団法人マインドフルネス瞑想協会


――そこから、なぜ協会を立ち上げようと思ったのですか?

吉田さん:2009年からクラスを始めたのですが、生徒さんたちから、「眠れるようになりました」「考えすぎている自分に気づけるようになりました」「怒りに飲み込まれなくなって、人間関係が楽になりました」といった声を、たくさんいただくようになりました。

YouTubeやブログで発信を続ける中でも、「これは多くの人に必要とされているものだ」と感じるようになり、2017年に講師養成講座を立ち上げ、一般社団法人として活動を始めました。

今は、大人が元気をなくしたり、将来に不安を感じている方も多い時代です。だからこそ、大人がもう一度、自分のワクワクや価値観を取り戻し、「今この瞬間」を楽しんで生きている姿を見せることが大事だと思っています。そういう姿を見て、子どもたちも「大人になるのって楽しそうだな」と感じられる社会になってほしいです。

そして、その土台にあるのが「自己受容」「他者受容」です。自分のありのままを受け入れ、同時に、相手の違いも尊重する。そうした価値観を大切にしながら、安心してつながれる場を、この講座コミュニティを通して育てていきたいと考えています。

「学ぶ」から「伝える」へ。講師養成講座と、その先に広がる世界

マインドフルネス養成講座

――マインドフルネス瞑想講師養成講座について教えていただけますか?

吉田さん:マインドフルネス瞑想講師養成講座では、マインドフルネスの知識や科学的な背景、そして「今なぜマインドフルネスが必要とされているのか」という全体像を、できるだけ科学的根拠に基づいた形で伝えています。

講座設計で特に大事にしているのが、「理論で理解する(インプット)」「実践で実感する」「人に伝える(アウトプット)」のバランスです。YouTubeや本でも知識は学べますが、それを自分の言葉で伝えてみる体験は、動画や読書だけではなかなか得られません。

また、この講座はグループで学ぶことも大きな特徴です。他の人の誘導を見たり、「なぜこの人はマインドフルネスを学んでいるのか」という背景に触れたりしながら、つながりや一体感を感じつつ、マインドフルネスを深めていける場にしたいと思っています。

実際に受講生からも、「とても温かくて安心できるコミュニティ」「他のマインドフルネス講座も受けたけれど、ここまで手厚く、優しく関わってもらえるところは初めて」といった声をいただいています。

――実際の講座は、どのような流れで進むのですか?

吉田さん:講座は4ヶ月間・Zoomで全8回の構成です。

前半は講師として知っておきたい知識をインプットしながら、毎日20分の瞑想実践に取り組みます。後半は、10分間の瞑想誘導やレクチャーの練習を実施し、試験を行います。

ロールプレイと筆記試験に合格すると、認定講師として活動できるようになります。

卒業後も、「MLC.(Mindfulness Life Club)」というオンラインコミュニティがあり、継続して学びを深められる仕組みを用意しています。

さらに、より深く学びたい方向けに「上級認定講師養成講座」を2026年5月に開講します。

上級認定講師養成講座では、通常講座で学んだ内容を土台に、伝え方や社会での活かし方までを扱います。

実践や理解を深めるだけでなく、「講師としてどう活動していくか」「どう仕事につなげていくか」といった現実的な部分まで扱う点が特徴です。

マインドフルネス養成講座

――マインドフルネスに取り組むことで、どのような変化が起きていますか?

吉田さん:受講生の方で一番多いのは、「眠れるようになったと感じる」という声です。考えすぎている状態から、ボディスキャン(体の感覚を意識すること)を実践することで、自然に眠りにつきやすくなったと感じる方が多い印象ですね。

また、とても印象に残っているのは、大切な人を亡くされた方のエピソードです。その方は「悲しみは消えないけれど、受け止められるようになった」と話してくださいました。今では、その方ご自身がクラスを担当して、同じような体験をした人たちに寄り添う立場になっています。

「伝える側」に回ることで、自分の人生の体験そのものが、誰かの力になるようになります。それは単なる仕事という枠を超えて、生きがいになるケースも多いですね。

なぜ現代人は「考えすぎてしまう」のか?スマホ時代の“脳の働きっぱなし”

――現代の方って、頭の中でいろいろなことを考えすぎてしまったり、「これをしなきゃよかった」と過去を何度も振り返ってしまったりする人も多いと思うんです。そういう状態の方は、実際かなり増えていると感じますか?

吉田さん:本当にそうだと思います。特に今はスマートフォンがありますからね。昔は白黒の携帯電話の時代でしたけど、今は動画やSNSなど、面白いコンテンツが次々に流れてきます。私たちの「注意」はお金になる時代です。「アテンションエコノミー」とも言われ、今は多くの企業がいかに私たちの注意を引きつけるかに力を注いでいます。

仕事も同じで、昔は職場を出たらオフになれましたが、今は休みの日でもLINEやSNSで連絡が来ます。常に仕事のことを考えてしまい、オンとオフの切り替えができません。

こうした生活が続くことで、「ちゃんと休んでいるはずなのに、なぜか疲れが取れない」という感覚が生まれます。頭の中ではずっと考え続けていて、脳が休まらない状態になっているのです。

その結果、ネガティブな記憶が浮かびやすくなったり、ちょっとしたことで不安になったり、怒りっぽくなったりします。

――だからこそ、今マインドフルネスが必要なのですね。

吉田さん:そうですね。昔は、ただ空を眺めたり、季節の移り変わりを感じたり、ぼんやりする時間がありました。でも今は、意図的に休もうとしないと、脳はずっと働きっぱなしになってしまいます。

頑張ることや、成果を出すこと自体が悪いわけではありません。ただ、そこに偏りすぎると、燃え尽きたり、心や身体に不調が出たりします。だから、意図的に「何もしない」「今ここにいる」時間をつくることが大事なんです。

実は、何もしていない時間にも、脳は勝手に情報を整理したり、つなぎ直したりしています。「余白」は、ビジネスでも、学習でも、ひらめきを生むうえでも、とても大切なものだと思っています。

「まずは自分から」安心が波紋のように広がる社会へ

――マインドフルネスを「学ぶこと」は、人生や生き方に、どんな影響を与えていくと思われますか?

吉田さん:この学びは、講座の時間だけのものではなく、人生全体に広げていくものだと思っています。

人生には、良いこともあれば、つらいことも必ずあります。人はいずれ死を迎えますし、愛する人との別れや、病気や怪我、環境の変化によって、これまで当たり前にできていたことが、思うようにいかなくなる瞬間も訪れます。

そうした人生の流れの中で、マインドフルネスというセルフケアの手法は、自分自身を守り、自分自身とつながり直すための、大切な支えになるものだと思います。

マインドフルネスに取り組んでいくことで、生きがいを見つけて自分らしく生きていけるようになる。そしてまた、人生の中にある喜びや、みずみずしい感受性を、あらためて感じられるようになるのではないでしょうか。

――その先に、どんな社会を目指しているのでしょうか?

吉田さん:戦争や気候変動など、社会には大きな課題がたくさんあります。でも、外側の問題を変えようとする前に、まず一人ひとりの内側が安心している状態をつくることが大切だと思っています。

自分の内側が不安でいっぱいだと、どうしても人に攻撃的になり、奪い合いになってしまう。でも、内側が安心していれば、自然に人にも優しくなれるし、分かち合えるようになる。

まずは自分。次に家族。次に身近な人。そこからコミュニティへ、社会へ。そうやって、波紋のように広がっていくイメージです。

今の時代は、新しいことに挑戦している人や、仕事を一生懸命やっている人ほど、意外と孤独になりやすい。だからこそ、安心して戻ってこられる「場」が必要なんだと思っています。

このマインドフルネス瞑想講師養成講座を土台にして、「受容」「尊重」を大事にしたコミュニティを育てていく。その中で育った人たちが、それぞれの場所で、また誰かに安心を渡していく。

それが、遠回りに見えても、結果的に社会を良くしていくと思っています。

1分でできるマインドフルネス実践方法

「マインドフルネスが良いのはわかったけれど、忙しくて時間が取れない」という方もいるかもしれません。

そんな方は、まずは日常の中でできる1分間の実践から始めてみるのも一つの方法です。

【1分でできる呼吸の瞑想ステップ】
①椅子に浅く腰掛け、背筋をすっと伸ばす
②目を軽く閉じるか、斜め前をぼんやり見つめる
③鼻から入る空気の冷たさや、お腹がふくらむ感覚に意識を向ける
④途中で考えごとに気づいたら、「考えごとをしているな」と認識し、やさしく呼吸に意識を戻す

「雑念が浮かぶのは自然なこと」です。それに気づいて呼吸に戻すプロセス自体が『脳の筋トレ』になります。

うまくやろうとせず、まずは気軽な気持ちで試してみてください。

編集後記:マインドフルネス瞑想 講師養成講座でスキルアップ!

「何もしていないはずなのに、なぜか疲れている」「頭の中がずっと忙しい」。この記事を読んで、思い当たる方もいるかもしれません。

取材を通して印象に残ったのは、「前向きになれない時も、“そういう時もあるよね”と受け入れて、自分に優しさを向けていい」という言葉でした。

何かを変えようと頑張る前に、まずはありのままの自分を認める。その考え方に、どこか心がほどけるような感覚がありました。

一人で続けるのは簡単ではありません。「安心して戻ってこられる場」「一緒に学ぶ仲間」がいることで、実践はぐっと続けやすくなるでしょう。

次回講座のご案内

次回の認定講師養成講座のスケジュールは公式サイトをご確認ください。

「指導者になりたい」という方はもちろん、「まずは自分自身のために深く学びたい」方や、「マインドフルネス瞑想が初めて」という方でも、基礎から段階的に学べる構成のため、安心してご参加いただけます。

お申し込みの開始時期や最新のスケジュール詳細については、一般社団法人マインドフルネス瞑想協会の公式サイトをご確認ください。

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この記事を書いた人
星野いと

星野いと

元金融機関勤務、現在はフリーランスライター。元気いっぱいの姉妹と夫の4人家族で、日々笑いと発見の絶えない暮らしを楽しんでいます。 趣味は旅行とおいしいもの探し。新しい土地での食べ歩きや、地元ならではの味に出会う瞬間が大好き。学生時代はフラダンスとヨガをやっていたが、最近はデスクワーク中心の生活で運動不足気味。そろそろ身体を動かす習慣を取り戻したいところ。

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