「ダンスレッスンのBGMとして使いたい!」「流行の楽曲を使ってピアノレッスンをしたい!」と考えている先生もいらっしゃると思いますが、オンラインレッスンで音楽を使用すると著作権が発生することはご存知でしょうか。
今回はそんなときに必要な手続きと注意点についてお話します。
オンラインレッスンでの著作権に注意
Zoomでレッスンを行う場合など、オンラインレッスンで音楽や楽譜を利用する際は著作権に気をつけなければなりません。しかし、オンラインレッスンでの著作権の境界は曖昧ですよね。まずは著作権が発生するケースとしないケースについて見ていきましょう。
著作権が発生するケース
主に楽曲の著作権を管理しているJASRAC(日本音楽著作権協会)は、対面レッスンでの楽曲演奏における著作権の制限範囲を「営利法人」までとしており「個人教室」は対象外でしたが、オンラインレッスンは「演奏」ではなく「配信」という形になります。この場合は制限の範囲が広がり、個人教室においても著作権の管理対象となるようです。また楽譜についてもコピーや複製をして生徒さんに共有すること(画像での共有も含む)は販売元が禁止している場合もありますので、事前に利用許諾をよく読んでおきましょう。
著作権が発生しないケース
著作権は死後70年間、作った人の「知的財産を守る」という権利ですので、70年以上が経過しているクラシック楽曲などは著作権には関わりません。その音楽の使い方は大丈夫ですか?
普段お教室をなさっている先生の中にはお教室内でBGMを流してレッスンされる方や、ピアノ教室やダンス教室をされている先生においては楽譜や音源を使用されている方がいらっしゃると思います。今回は「オンラインレッスンでの音楽使用についての著作権」について詳しくお話します。
正しく使用すれば何ら問題ないのですが、無断で使用すると「著作権の侵害」にあたり法に触れてしまうこともあるので注意が必要です。無用なトラブルを避けるためにも、しっかり目を通しておきましょう。
配信すると著作権が発生します!
ダンスレッスンやピアノレッスンなど、音楽を利用したオンラインレッスンを行う場合は、インターネット上にレッスンを配信することになります。音楽をインターネット上に配信することは著作権の中でも「複製権」と「公衆送信権」という2つの権利を使用します。2つの権利の詳細を以下にまとめました。複製権とは
複製とは、作品を複写したり、録画・録音したり、印刷や写真にしたり、模写(書き写し)したりすることを指します。複製権は著作権上のその権利のことです。
公衆送信権とは
公衆送信権(著作権法23条1項)は、著作権者以外の公衆送信行為を規制する権利です。公衆送信行為とは、著作権法の「公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信」行為と定義されています。(著作権法2条1項7号の2)。
ここまで見ると「オンラインレッスンで音楽は使ってはいけないのかな?」と思ってしまいますよね。先ほどお話していた通り正しい手順を用いて、しっかり申請を出して許諾があればオンラインレッスンでも音楽を使用して大丈夫です!
申請方法はインターネットからでも簡単に申し込めますのでご安心ください。
音楽の申請方法やその料金は?
では、次に音楽をインターネット上に配信するために必要なことをお話します。使用したい音楽に許可がいるかどうか確認しましょう
JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)のサイト内にあるJ-WID(作品データベース検索サービス)にて確認できます。JASRACサイト:一般社団法人日本音楽著作権協会 JASRAC
J-WIDサイト:http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/
申請から許諾までの流れと料金について
確認をして手続きが必要であった場合には、JASRACのサイト内から必要な書類などを準備して申請を行います。申請を行い、許諾がなされてからようやくオンラインレッスンで音楽を使用することができます。通常であれば申請から許諾まで2~4週間程度かかるようです。料金につきましては3か月に1回、使用料を支払う必要があります。
金額は規模などによって異なり、利用目的に合わせて利率が設けられています。
料金はJASRACのサイト内からシミュレーションできます。
JASRAC使用料計算シミュレーション:https://www.jasrac.or.jp/users/calculation/
手元にある音楽CDを使用したいときは?
「購入した音楽CDは著作権ないから使用しても大丈夫!」ではありません。なぜなら音楽CDは「モノを買っただけ」で「モノにある著作権」を買ったわけではないからです。そのため、使用したい場合には音楽CDに著作権が発生します。
また市販のCDの音源を使用する場合はJASRACが管理する作詞者、作曲者の著作権とは別に使用したい音楽のレコード製作者、実演家等の関係権利者の著作隣接権について許諾を得る必要があります。
個人で購入した音楽CDを配信する場合には、ISRC(一般社団法人日本レコード協会)とJASRACそれぞれに申請が必要になります。
一般社団法人日本レコード協会(日本レコード協会音源利用許諾窓口一覧):https://www.riaj.or.jp/leg/list/
許諾を得なくても音楽を使用できる場合もあります
「申請を出すのは大変だな。オンラインレッスンはハードルが高いな」と思われた先生もおられるかもしれません。ここからは手続きがなくても音楽を使用できる方法をお話します。動画投稿(共有)サイトやUGCサービスで音楽を使用する
動画投稿(共有)サイトやUGCサービスという言葉を聞いたことがありますか?例を挙げるとYouTubeやInstagram、Facebookという個人が情報をアップロードするサイトのことです。UGCサービスとは、Webサイトやオンラインサービス上で提供されるコンテンツのうち、利用者によって制作・生成されたもの。利用者の投稿した文章や画像などが含まれる。
参考サイトより抜粋:UGC(ユーザー生成コンテンツ)とは - IT用語辞典 e-Words (e-words.jp)
これらのサービスの中にはJASRACと利用許諾契約を締結しているところもあります。すでに締結をしているサービス内で、映像の中に音楽を使用する場合は個人的に手続きしなくても音楽を使用してもよいことになっています。
こちらのページを参考にしてみてください。
利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧 :https://www.jasrac.or.jp/information/topics/20/ugc.html
商用利用可能な音楽素材を利用する
また、映像内のバックミュージックなどで使いたい楽曲を探している、固定のアーティストの音楽でなくていいという場合は、商用利用フリーの音楽素材を利用することもおすすめです。DOVA – SYNDROME
https://dova-s.jp/フリーBGM音楽素材を無料ダウンロード配布して商用、非商用用途を問わず連絡不要で使えます。配信BGM素材数 約14000曲/SE素材数 1300音
フリーBGM・音楽素材MusMus
https://musmus.main.jp/解説:無料でダウンロードしてご使用いただけます。商用利用や改変も可能です。
MusMusの楽曲を使用していることをコンテンツに表示していただく必要があります。
NASH
https://www.nash.jp/fum/無料ではありませんが、放送局などでも使用しているクオリティの高い音楽やBGMが購入可能です。音源は100%自社制作のため音源ごとの品質のバラつきが生じにくく、全ての権利を持っているためトラブルにもなりにくいです。
これらのサイトでは、多くのアーティストが著作権フリーの音源を多数発表しています。数秒の効果音的なものからずっとループする音楽、歌声入り音楽など多彩な音楽素材が紹介されていますので、一度覗いてみてくださいね。
オンラインレッスンの著作権まとめ
今回はオンラインレッスンで音楽を使用したい場合の著作権と手続きの方法についてお話させていただきました。最後にご紹介したように手続きが必要ない、または使用料がかからないUGCサービスを利用する方法もあります。それらをぜひ活用して先生のお教室を生徒さんに発信することに役立てていただければうれしく思います。著作権に関する注意点をよく理解して、トラブルのないオンラインレッスンのためにご活用ください。