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「白色申告」と「青色申告」のメリット、デメリットを理解して、自分のスタイルに合った申告方法を選びましょう。

2時間目 青色申告と白色申告とは?

「白色申告」と「青色申告」のメリット、デメリットを理解して、
自分のスタイルに合った申告方法を選びましょう。

確定申告には、「白色申告」と「青色申告」があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、やらなくてはいけない事が異なるので、自分のスタイルに合わせた申告方法を選ぶようにしましょう。ここでは、「白色申告」と「青色申告」について勉強します。

確定申告の前に事業の決算をしましょう

イラスト

個人事業主の方が確定申告で事業の所得を申告する場合、その前に事業の「決算」を行い、1年間の事業収支や所得を確定(計算)する必要があります。

日々の記帳では、入金や支払の結果を記帳しますが、決算では1年分の正しい所得を確定する必要があります。この所得から生命保険控除などの様ざまな所得控除を差し引いたものが「課税所得」となり、この「課税所得」を所得税額の計算方法にあてはめて計算すると、その年の納税額が算出されます。

確定申告のステップ

ワンポイントアドバイス
決算をする際、年末年始をまたぐ取引には注意が必要です。基本的には「その取引が発生したのが年内か否か」で考えます。例えば年末の時点で売上が確定していても未入金のものは、売掛金などとして売上に計上する必要があります。また、既に使用しているもののまだ支払っていない経費(掛け払いやカード払いなど)は、買掛金や未払費用として計上。逆に、前払いの家賃などは既に支払っていますが、翌年分の経費ですので前払費用として計上し、年末時点の経費からは外します。さらに、事業に使用している資産がある場合には、減価償却等も決算処理で行います。

「青色申告」と「白色申告」の違い

個人事業主が事業の所得を申告する際「白色申告」と「青色申告」があることは多くのみなさんがご存知かと思います。さらに青色申告には帳簿づけの方法によって、控除額を「10万円」と「65万円」の2種類から選択することができます。

白色申告 青色申告(10万円控除) 青色申告(65万円控除)
帳簿づけ 形式は自由
※簡易帳簿でOK
単式簿記 複式簿記
決算書の種類 収支内訳書 青色申告決算書 青色申告決算書
税制上の優遇措置 専従者控除 青色申告特別控除
青色事業専従者給与控除
事業損失の3年間繰越控除
減価償却の特例
貸倒引当金の設定など
青色申告特別控除
青色事業専従者給与控除
事業損失の3年間繰越控除
減価償却の特例
貸倒引当金の設定など
所得税の特別控除額 なし 10万円(上限) 65万円(上限)
承認手続き なし あり あり

節税効果

経費や基礎控除などを差し引いた「所得400万円」のケース

上記のように、「白色申告」と「青色申告」では青色申告のほうが税制上の優遇措置があるため節税効果が高いです。

これまでは白色申告者に帳簿づけの義務がなく、「申告がかんたん」という理由で白色申告を選ぶ人が多くいました。しかし、2014年1月から、個人事業を営む人は例外なく、帳簿をつけなくてはならなくなりました。つまり、白色申告者も日々の帳簿づけが必要になったのです。

帳簿・書類の保存期間は白色申告か青色申告かによって異なります。下記に代表的なものを記載しました。詳しく知りたい方は、国税庁ホームページをご確認ください。

種別 白色申告の場合 青色申告の場合
帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年 仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳…など 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年 仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳…など
書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年 決算関係書類 損益計算書・貸借対照表・棚卸表など 7年
現金預金取引等関係書類 領収証・預金通帳・借用証など 7年
(※)
請求書・納品書・領収書など取引に関して作成・受領した上記以外の書類 その他の書類 請求書・見積書・契約書など取引に関して作成・受領した上記以外の書類 5年

※前々年分所得が300万円以下の方は、5年

ワンポイントアドバイス
青色申告にしろ白色申告にしろ、帳簿をつける必要はありますし、控除額のメリットや今後の事業発展も考慮すると、「青色申告」かつ「65万円控除」のほうを選ぶことをおすすめします。ただし、帳簿づけの手間などもありますので、それぞれのメリット、デメリットを理解した上で自身の事業形態や生活スタイルに合った申告方法を選びましょう。

白色申告の基礎知識

白色申告の基礎知識

白色申告の場合、青色申告とは異なり、事前に「承認申請書」を提出する必要がありません。1時間目で学んだように、日々の帳簿づけ(記帳)をきちんとしておけば、焦ることはありません。

白色申告のメリット
  • 事前の書類提出が不要

    前述のとおり、白色申告は事前に税務署へ「承認申請書」を提出する必要がありません。青色申告をする場合期限までに、この「承認申請書」の提出が必要となりますが、白色申告の場合は必要ありません。詳細はのちほどご説明します。

  • 帳簿づけの簡単さ

    青色申告とは違い、白色申告は記帳の仕方に決まりはなく、家計簿をつけるのと同じ要領でもかまいません。1日の合計額での記帳が認められているので、収入(売上)と支出(仕入・経費)を日付とともに記入すればOKです。
    (参考:詳細は国税庁のホームページをご覧ください)

白色申告のデメリット

白色申告のデメリットは、節税効果が少ないことです。青色申告の場合、帳簿づけの方法により「65万円」もしくは「10万円」の控除を受ける事ができ、節税効果が大きいです。

青色申告の基礎知識

青色申告の基礎知識

青色申告者となるには、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」の届け出が必要です。これは原則として開業日から2か月以内に提出しなければならないもので、これから開業する人は「開業届」と一緒に提出しましょう。白色から青色に切り替える場合は、青色申告に変更する年の3月15日までが提出期限になります。(例:2016年分の確定申告を2017年にする場合、2016年3月15日までに提出が必要となります)

先述したように青色申告には「10万円控除」と「65万円控除」の2種類があります。この2つの違いは記帳方法で、「課税対象額からの控除額」。単式簿記での申告だと10万円、複式簿記の場合は65万円の税対象額からの向上を受けられる点でと、その差はかなり大きいです。

承認申請書の提出期限と青色申告への変更とタイミングについて
白色申告から青色申告へ切り換える場合
青色申告のメリット

青色申告のメリットとしては、最大65万円の特別控除がありますが、その他にもおもに以下の項目があげられます。

  • 赤字の繰越(純損失の繰越しと繰戻し)

    損失が出た場合に翌年以降に赤字を全額繰り越して、むこう3年に出る利益と相殺することができます。赤字を繰り越すことにより、翌年以降の利益が少なくなるので、納税額をおさえることができるのです。
    また、前年も青色申告をしている場合は、黒字の翌年に赤字になった時には、前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。

  • 親族への給与が経費にできる(青色事業専従者給与控除)

    一定の条件を満たすことが必要ですが、事業を手伝ってくれる家族がいる場合、家族に支払った給与を「専従者給与」として経費にできます。ただし、これを適用する場合、事業事業専従者を有することとなった日から2か月以内に、青色申告の届出とは別に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に届け出る必要があります。但し、青色事業専従者を扶養親族とすることはできませんのでご注意ください。

  • 30万円未満の固定資産を一括で経費にできる(減価償却の特例)

    10万円以上の固定資産は定められた耐用年数に従って減価償却します。高額なものは、その年の経費として一括で処理するのではなく、数年にわたって少しずつ経費計上していかなければならないのです。しかし、青色申告事業者には「少額減価償却資産の特例」が用意されています。これにより10万円以上のものを買ったとしても、30万円未満であればその年の経費として一括で処理することができます。

青色申告のデメリット

青色申告のデメリットはこの2点があげられます。

  • 事前に「青色申告承認申請書」を提出する必要がある。

    先述の通り、青色申告にしたくなったからと言って、すぐに青色申告に切り替えられる訳ではありません。
    事前に「青色申告承認申請書」の提出が必要となります。今年分から青色申告へ切り替えたい場合は、今回の確定申告書類提出時、「青色申告承認申請書」を一緒に税務署へ持っていきましょう。

  • 複式簿記で記帳する必要がある

    簿記の知識が無いとなかなか難しい「複式簿記」ですが、税理士・会計士の先生に頼むほか、確定申告ソフトを使用すれば簡単に複式簿記で記帳できます。

さて、先述のとおり当然ながら65万円控除のほうがメリットは大きいですが、簿記の知識が無いまま無理に複式簿記に挑んでしまうと、経理業務に時間が取られてメインのお教室活動に支障が出る、なんてことにもなりかねません。複式簿記に自信がないという人は、確定申告ソフトを使用したり、税理士や会計士に依頼するという方法もあります。また、今は白色申告や単式簿記で良い10万円控除の青色申告にしておいて、ある程度事業が拡大し、十分簿記の知識がある人を雇えるようになったら65万円控除に切り替えるのもいいでしょう。
とはいえ、65万円の控除は個人事業主にとって非常に魅力的です。なるべく簡単に、今から65万円控除の青色申告をするのであれば、確定申告ソフトの使用をおすすめします。


確定申告書類の作成は非常に手間のかかる作業ですが、昨今はかんたんに申告書類を作成できる「確定申告ソフト」があります。確定申告ソフトを活用することで、簿記の知識がなくても日々の経理業務から確定申告までをかんたんに行うことができます。
今回は確定申告について一般的なお話としてご説明をしました。ご自身の事業について、具体的な相談される場合は、必ず税務署か税理士の先生にご相談ください。

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クラウド確定申告ソフトで確定申告書類をかんたん作成

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申告書類を簡単に作成できます。質問に答えたり、必要事項を埋めていくだけで、スムーズ書類を作成することができます。耳なじみのない単語には説明がついているため、いちいち調べる手間もかかりません。手順に従って進めていけば、詳しい知識がなくても驚くほど簡単に申告書類を作ることができます。毎年のわずらわしい作業が軽減します。

青色申告と白色申告を選べる

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「やよいの白色申告 オンライン」での帳簿づけが簡単なのはもちろん、「やよいの青色申告 オンライン」を使えば、複式簿記の知識がなくても、簡単に仕訳ができます。記帳したい項目を検索窓で検索すれば、該当しそうな項目が出てくるので、そこから選ぶだけ。しかも、毎月の電気代の支払など同じ取引を続けて入力したい場合、コピーして何度も入力できるため、非常に素早く取引記録ができてスムーズです。

経営状態の確認ができる(集計・レポート機能)

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日々の取引データを入力しておくだけで、すべての取引を自動集計。残高試算表や見やすいグラフ表示で、儲けが出ているのかどうか、リアルタイムに確認できます。集計・レポート機能を使って常に経営状態を把握しておけば、正しい経営判断に役立てることができます。

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